2001 Fiscal Year Annual Research Report
S100蛋白による糖化蛋白受容体RAGEの活性化機構とその病態生理学的意義の解明
Project/Area Number |
13671203
|
Research Institution | Kansai Medical University |
Principal Investigator |
小崎 篤志 関西医科大学, 医学部, 助手 (40330188)
|
Keywords | S100A12 / RAGE / マクロファージ / IL-6 / PPARγ |
Research Abstract |
1.RAGEの新規リガンドであるS100A12の発現調節機構を明らかにする。 THP-1細胞より分化誘導したマクロファージを用いRAGEのリガンドであるS100A12の発現をノザン解析およびRT-PCR法で定量した。S100A12 mRNAはTNF-α、TGF-β、IL-1β、MCP-1、insulin、酸化LDL添加では変化を認めなかったが、IL6で有意な増加を認め、PPARγのリガンドであるpioglitazoneでは有意な減少を認めた。IL-6(100ng/ml)によりS100A12 mRNAは16時間後で約2倍に増加し、16時間ふ置によるED_<50>は約3ng/mlであった。また、その培養上清中にS100A12蛋白をELISA法により確認でき(約0.67ng/ml)、IL6添加後20時間すると約20%の有意な増加を認めた。これらの増加はJAK inhibitorであるAG490と前ふ置すると完全に阻害された。しかしMEK inhibitorであるPD98059ではそれは阻害されなかった。 一方pioglitazone添加によりマクロファージのS100A12 mRNAは減少し、50μM濃度で12時間後に約50%に、24時間後には30%以下となった。24時間ふ置によるED_<50>は約10μMであった。またIL-6 (100ng/ml)によるS100A12 mRNAの増加は、pioglitazone(25μM)と前ふ置することにより完全に阻害された。 2.S100蛋白の血管障害への影響を個体レベルで検討するために発生工学的手法を用いS100A12過剰発現マウスを作成する。 マクロファージでのS100A12過剰発現マウス作成のために、CD11b promoterの3'端にS100A12 cDNAを導入したTg mouse constructの作成を完了し、今後microinjectionする予定である。
|