2002 Fiscal Year Annual Research Report
肥満糖尿病db/dbマウスの膵β細胞機能不全の機構解明と発症阻止プログラムの確立
Project/Area Number |
13671204
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Research Institution | KAWASAKI MEDICAL SCHOOL |
Principal Investigator |
加来 浩平 川崎医科大学, 医学部, 教授 (10116709)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
松田 昌文 川崎医科大学, 医学部, 講師 (00199811)
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Keywords | 2型糖尿病 / db+ / db+マウス / 膵β細胞機能障害 / diazoxide / pioglitazone / 糖毒性 / 脂肪毒性 |
Research Abstract |
2型糖尿病の管理において膵β細胞機能をいかに保護するかは重要な課題である。本研究では肥満2型糖尿病モデル動物C57BL/KsJ db+/db+マウス(以下db+/db+マウス)にKATPチャネル開口薬diazoxideとthiazolidinedione系薬剤pioglitazoneによる介入を行い、膵ラ氏島機能障害の抑制効果およびその機序を比較検討した。 1)膵ラ氏島の組織学的変化に及ぼす薬剤介入の効果:6週齢db+/db+マウスにdiazoxide(D:100mg/kg・BW/day、経口)とpioglitazone(P:100mg/kg・BW/day、経口)による12週間の介入を行い、膵ラ氏島の組織学的変化を比較したところ、D群、P群の%膵ラ氏島面積を同一週齢の非介入(C)群と比較すると有意に増大していた(P<0.001)。またβ細胞比率はC群において加齢と共に有意な減少を認めた(P<0.01)が、P群はC群より有意に大であった(P<0.01)。 2)薬剤の膵ラ氏島機能障害抑制効果の機序:10週齢マウスに2週間の介入を行うと、D群、P群とも血糖、中性脂肪、遊離脂肪酸は有意に低値を示したが、血中インスリン値はD群で増加、P群ではむしろ低下していた。血中アデイポネクチン値は両群で増加したが、P群でより有意であり、D+P群ではさらに顕著な増加をみた。C群で増加した膵ラ氏島内中性脂肪含量は、P群で明らかに減少し、D群では変化はなかった。介入群の膵ラ氏島のグルコース刺激インスリン分泌反応はC群に比し、良好であった。db+/db+マウスの膵β細胞機能障害はdiazoxide、piogliotazoneのいずれの介入によっても抑制されることが明らかになったが、その機序としてdiazoxideは主に糖毒性の改善を、Pioglitazoneは糖毒性とともに脂肪毒性の改善を介することが示唆された。
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Research Products
(4 results)
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[Publications] Kawasaki F et al.: "Rescue of beta-ceif exhaustion afterthe developmentof diabetes mellitus in db/db mice"Diabetologia. 44. 147A (2001)
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[Publications] Kawasaki F et al.: "Prevention of pancreatic b-cell damage by pharmacological interventions in db/db mice-implications for glucolipotoxicity mechanism"Diabetolgia. 45. 146A (2002)
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[Publications] Matsuda M, et al.: "Rescue of pancreatic beta-cell exhaustion by diazoxide after the development of diabetes mellitus in rats with streptozotocin-induced diabetes"Eur. J. Pharmacol.. 453. 141-148 (2002)
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[Publications] 川崎史子他: "薬剤介入によるdb/dbマウス膵β細胞機能保持の機序"糖尿病. 45. 210S (2002)