2002 Fiscal Year Annual Research Report
脂肪細胞の分化及びその機能におけるカルパインの役割の解析
Project/Area Number |
13671209
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Research Institution | Tokyo Metropolitan Organization for Medical Research |
Principal Investigator |
矢島 由紀子 財団法人東京都医学研究機構, 東京都臨床医学総合研究所, 主任研究員 (60090114)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
佐藤 真友美 財団法人東京都医学研究機構, 東京都臨床医学総合研究所, 主任研究員 (50124459)
楠畑 かおり 財団法人東京都医学研究機構, 東京都臨床医学総合研究所, 研究員 (80321884)
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Keywords | カルパイン / カルパスタチン / インスリン / 脂肪細胞 / GLUT4 |
Research Abstract |
Ca2+要求性システインプロテアーゼのカルパインは、種々の細胞増殖、分化および細胞内機能に関与する。我々はすでにカルパインの内在性阻害因子カルパスタチンを過剰発現した脂肪細胞、ならびにカルパイン阻害剤(ZLLal)を処理した脂肪細胞において、インスリン刺激による糖の取り込みが抑制されることを見出した。そこでインスリンの情報伝達に関わるカルパインの役割を検討した。ZLLalを処理した3T3-L1脂肪細胞において、インスリン刺激によってインスリン受容体とIRS-1及び、P13-キナーゼ活性化の指標になるAktのリン酸化が、ZLLalを処理しない対照細胞と同様にリン酸化された。糖の取り込みに関わるGLUT4糖輸送担体の細胞内画分から細胞膜への移行も、ZLLalを処理した細胞では対照群と同様にインスリン刺激によって低密度ミクロソームから、細胞膜分画へ移行した。また、細胞膜ローン測定によって、インスリン刺激によるGLUT4の細胞膜移行が対照群と同様にZLLalを処理した細胞において免疫蛍光染色で確認された。さらに、ヒトカルパスタチンを導入した3T3-L1脂肪細胞においても、インスリン刺激によるGLUT4の膜移行が細胞膜ローン測定によって確認された。以上の結果、カルパインは、3T3-L1脂肪細胞においてインスリンが行うGLUT4の細胞膜移行ではなく、GLUT4の活性化に関与することが示唆された。
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Research Products
(4 results)
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[Publications] Sato M, Tai T, Nunoura Y, Yajima Y, Kawashima S, Tanaka K: "Dehydro-trametenolic acid induces preadipocyte differentiation and sensitizes animal models of non-insulin-dependent diabetes millitus to insulin"Biol. Pharmaceut. Bull. 25. 81-86 (2002)
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[Publications] Yajima Y, Kawashima S: "Calpain function in the differentiation of mesenchymal stem cells"Biol. Chem. 383. 757-764 (2002)
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[Publications] Yajima Y, Sato M, Sumida M, Kawashima S: "Mechanism of adult primitive mesenchymal ST-13 preadipocyte differentiation"Endocrinol.. (in press).
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[Publications] 矢島由紀子, 佐藤真友美, 川島誠一: "脂肪細胞の分化とその機能におけるカルパインの役割"内分泌・糖尿病科. 16(1). 81-89 (2003)