2001 Fiscal Year Annual Research Report
心停止ドナーからの膵移植における虚血再潅流障害発生機序の解明とその予防法の確立
Project/Area Number |
13671211
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Research Institution | Tohoku University |
Principal Investigator |
藤盛 啓成 東北大学, 医学系研究科, 助教授 (50238622)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
佐藤 成 東北大学, 医学部・付属病院, 講師 (20250764)
土井 秀之 東北大学, 医学部・付属病院, 講師 (90188839)
大河内 信弘 東北大学, 大学院・医学系研究科, 助教授 (40213673)
小山田 尚 東北大学, 大学院・情報科学研究科, 助手 (80302149)
菅原 浩 東北大学, 医学部・付属病院, 助手 (30323025)
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Keywords | 膵移植 / 心停止ドナー / 細胞内カルシウム / アラキドン酸代謝産物 / 再灌流障害 |
Research Abstract |
死戦期モデルによる温阻血の限界時間は通常のUW冷保存では60分温阻、24時間保存では3/6、50%の生着に止まり、これが保存限界であることを確認した。Heaet Beating Donor・24時間冷保存、温阻血0分・24時間冷保存、温阻血60分・冷保存24時間の実験群でグラフト内ATP量、エネルギーチャージ、をグラフト摘出前から再灌流後まで経時的に測定した。その結果、死戦期を経ることにより、グラフト内ATP濃度は1/5以下に低下し、60分温阻血では1/10以下に低下した。またエネルギーチャージは、死戦期を経ることで約1/2、60分温阻血では1/3に低下した。しかし、エネルギーチャージはHeart Beating Donorでは保存により低下したものの、他群では低下が認められず、有意差が認められなくなった。再灌流後の測定では、ほとんど感度以下となり、これは再灌流後膵グラフトに強い浮腫が生じ、測定検体に問題があるものと思われた。ivGTT検査によるK値では3群で差が認められなかったが、いずれもインスリン分泌は、対照に比して亢進しており、移植ラ島は機能不全状態にあるものと思われた。移植後の組織学的検討では、60分温阻血群では、ラ島の形態異常があり、また間質の浮腫も強く、障害が認められた。ホスホリパーゼA2活性およびシクロオキシゲナーゼ2活性の変化をアラキドン酸代謝産物の測定から検討中である。予備実験としてNa+/H+ポンプ阻害薬FR16888投与による保存実験を行い、温阻血30分・冷保存24時間で温阻血0分・24時間冷保存と同等の機能、組織所見を得ることができた。
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