2002 Fiscal Year Annual Research Report
心停止ドナーからの膵移植における虚血再潅流障害発生機序の解明とその予防法の確立
Project/Area Number |
13671211
|
Research Institution | Tohoku University |
Principal Investigator |
藤盛 啓成 東北大学, 大学院・医学系研究科, 助教授 (50238622)
|
Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
菅原 浩 東北大学, 医学部附属病院, 助手 (30291256)
佐藤 成 東北大学, 医学部附属病院, 講師 (20250764)
土井 秀之 東北大学, 医学部附属病院, 助教授 (90188839)
小山田 尚 東北大学, 大学院・情報科学研究科, 助手 (80302149)
|
Keywords | 膵移植 / 阻血再灌流障害 / Na+ / H+ポンプ阻害薬 / Ca拮抗薬 / ブタ膵移植 |
Research Abstract |
Wisterラットを用いて膵尾部を選択的に阻血する膵阻血再灌流モデルを作成し、[Ca2+]iを修飾しうるNa+/H+ポンプ阻害薬FR16888 1mg/kgの温阻血前静注投与により、温阻血再灌流障害に対する効果を検討した.その結果、60分温阻血においてFR168881mg/kg阻血前全身投与で再還流直後の浮腫の軽減効果が認められた.阻血再灌流1週間後では膵線維化と炎症の程度のばらつきのため、温阻血を置いた群とFR16888を用いた群で統計学的有意差が認められなかった. ランドレース種(体重20〜25kg)を用いた同種ブタ膵移植モデルにおいては、人工呼吸器停止による死戦期を置いた心停止下で実験を行った.60分温阻血および60分温阻血+24時間冷保を行い、それぞれFR168881 20mg/body心停止前静注+10mgUW 1L灌流・保存および20mgUW 1L灌流・保存のみの群を作成し、移植成績(血糖、IVGTT、IRI)、アミラーゼ・膵リパーゼ、グラフトATP量、エネルギーチャージ、組織内酸素飽和度および組織学的な検討を行った.その結果、心停止前静注投与では心停止までの時間が有意に延長したが、60分温阻血再灌流群で浮腫の改善が認められた.また、60分温阻血+24時間冷保存群では膵生着率の改善が認められた(FR-群3/6 vs Fr+群4/4). 以上からFR16888は温阻血および冷阻血再灌流障害に対する予防効果が確認された.
|