2001 Fiscal Year Annual Research Report
CTおよびMRIを用いた乳癌の三次元術前拡がり診断による手術システムの開発
Project/Area Number |
13671212
|
Research Institution | Tohoku University |
Principal Investigator |
石田 孝宣 東北大学, 医学部・附属病院, 助手 (70323011)
|
Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
大内 憲明 東北大学, 大学院・医学系研究科, 教授 (90203710)
森谷 卓也 東北大学, 医学部・附属病院, 助教授 (00230160)
石橋 忠司 東北大学, 大学院・医学系研究科, 助教授 (40151401)
|
Keywords | 乳癌 / 三次元画像 / ヘリカルCT / MRI / 乳管内進展 / 多発 |
Research Abstract |
【目的】乳房温存療法において乳癌病巣の拡がりを術前に正確に捉えることは、適応や切除範囲を決定する上で重要である。新たなmodalityとして、3-D CTと3-D MRIによる術前の病巣評価を行い、病理検索結果と対比させてその整合性を比較し、画像上false positiveとなった病巣の病理について検討した。 【対象と方法】対象は2000年2月〜2001年7月までに東北大学付属病院で手術を受けた初発乳癌患者38例。術前に患側乳房のhelical CT及びMRI検索を施行し、コンピューター画像処理を用いた三次元構築により乳管内進展・多発病巣の存在を予測した。これらと摘出標本の詳細な病理検索結果とを対比させ、精度を比較検討するとともに画像診断で多発病巣の存在が示唆された症例で、その局在が明らかであった部位の病理診断の結果を検討した。 【結果】1)病理にて2cm以上の乳管内進展を認めたのは15例でそのSensitivity,Specificity,AccuracyはCT67%,96%,84%、MRI73%,96%,87%であった。2)病理にて多発病巣を認めたのは7例でそのSensitivity,Specificity,AccuracyはCT57%,94%,87%、MRI71%,81%,79%であった。3)高度な乳管内進展をCT,MRIともに捉えられたのは10例で、7例がcomedo type,histological gradeは8例がII以上であった。4)乳管内進展病巣に関する画像上のfalse positiveはCT、MRIともに1例ずつでこれらは同一症例であり、病理診断は僅かなPDWAのみであった。5)多発病巣に関する画像上のfalse positiveはCT2例、MRI6例で、このうち局在が確認された病変の病理像は(sclerosing)adenosis,PDWAであった。 【考察】高度な乳管内進展病巣の描出感度においては3-D MRIが3-D CTよりもやや優れていたが、多発病巣に関しては3-D MRIで特異度が劣り、overdiagnosisとなる傾向が認められた。画像上false positiveとなった病巣の病理診断は、(sclerosing)adenosis,PDWAが大部分を占め、増殖性病変と癌病巣との鑑別のための至適撮影条件の追及が必要と考えられた。
|