2001 Fiscal Year Annual Research Report
遺伝子導入によるNF-kB制御に基づく肝虚血再灌流障害機構の研究と臨床応用
Project/Area Number |
13671235
|
Research Institution | Hiroshima University |
Principal Investigator |
丸林 誠二 広島大学, 医学部・附属病院, 助教授 (80144814)
|
Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
八幡 浩 広島大学, 医学部・附属病院, 助教授 (10191181)
|
Keywords | NF-κB decoy / エンドトキシン肝障害 / NF-κB / サイトカイン / NF-α / 遺伝子治療 |
Research Abstract |
遺伝子導入によるNF-κB decoyを用いたエンドトキシン肝障害治療への応用 Effect of NF-κB decoy using HVJ liposome method on endotoxin induced liver cell injury G0259755 (目的)われわれはこれまでに、エンドトキシン(LPS)肝障害はKupffer細胞の活性化が関与し、特にNF-κBの活性化によるTNF-αをはじめとした炎症性サイトカインmRNAの発現、Kupffer細胞からのサイトカインの放出により接着分子の発現、好中球の浸潤により細胞障害が起こってくることを明らかにしてきた。この仮説に立てば、NF-κB活性を抑制することによりLPS肝障害を防ぐことが可能となる。そこでNF-κBと同一配列を持つ人工核酸で転写因子を生体内で直接制御できるおとり型核酸医薬(NF-κB decoy)のLPS肝障害に対する効果について検討した。(方法)ICRマウスにLPS(30mg/kg, i. P. )によりLPS肝障害を作成した。同時にNF-κB decoy(2μM)門脈内投与した。LPS投与後の動物生存率、血中TNF-αレベル(ELISA)、とこれに及ぼすNF-κB decoyの投与効果についてゲルシフトアッセイを用い比較検討した。(結果) 1)対照群マウスの生存率はLPS投与後24時間で52%(11/21)、48時間で33%(7/21)、72時間で33%(7/21)と低下を認めたが、NF-κB decoy投与群は生存率を24時間後88%(23/26)、48時間後77%(20/26)、72時間後77%(20/26)と対照群に比較して有意に上昇させた。2)LPS投与後対照群で血中TNF-αは1時間後1851±899(pg/ml)、2時間後2051±345と著名に増加したがNF-κB decoy投与群ではこの増加を有意に(p<0.01)抑制した。(考察)LPS肝障害に対してNF-κB decoyの有用性が示されNF-κB抑制による遺伝子治療の可能性が示された。
|
Research Products
(6 results)
-
[Publications] 丸林誠二, 他: "エンドトキシン肝障害に及ぼすラザロイドの投与効果"G. I. Research. 9(4). 79-80 (2001)
-
[Publications] 丸林誠二, 他: "エンドトキシン肝細胞障害におけるNF-κB活性化の意義とその制御による治療法の研究"肝臓. 42 suppl(1). A77 (2001)
-
[Publications] Marubayashi S, et al.: "Effect of Lazaroid on NF-κB activation of Kupffer cells in liver preservation"International Conference on Transplantation in Nagoya 2001. Program and abstract. 119 (2001)
-
[Publications] 丸林誠二, 他: "エンドトキシン肝障害に及ぼすLazaroidおよびNF-κB decoyの投与効果"日本消化器外科学会雑誌. 34(7). 1070 (2001)
-
[Publications] Murubayashi S, et al.: "Effect of Lazaroid on NF-κB activation of Kupffer cells in liver ischemia-reperfusion"2001 A Transplant Odyssey Abstract book1 poster prentation. 299 (2001)
-
[Publications] S Marubayashi et al.: "Oxidative stress and Digestive diseases"T Yoshikawa. 119-135 (2001)