2001 Fiscal Year Annual Research Report
乳癌骨転移モデルにおける転移臓器特異性に関する研究
Project/Area Number |
13671252
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Research Institution | Tokyo Dental College |
Principal Investigator |
正村 滋 東京歯科大学, 歯学部, 助教授 (40190342)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
小川 信二 東京歯科大学, 歯学部, 助手 (80224103)
田中 豊治 東京歯科大学, 歯学部, 教授 (80085810)
安藤 暢敏 東京歯科大学, 歯学部, 教授 (90101972)
池田 正 慶応義塾大学, 医学部, 講師 (70124930)
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Keywords | 乳癌 / 骨転移 / インテグリン / αV / β3 |
Research Abstract |
初年度提出した研究実施計画どおり,まずヌードラットの骨転移モデルを用いて,種々の乳癌培養細胞の骨転移能を調べた.実験に使用した細胞の中で,骨転移を形成する乳癌培養細胞であるMDA-MB231,MDA-MB435のみがαVβ3が発現していることを,フローサイトメトリーとRT-PCR(αV,β3のそれぞれについて)で確認した.骨転移を形成しないMCF-7細胞群では,αVは発現しているもののβ3が発現していないため別のヘテロダイマーを形成していることが判明した.このため,これらの細胞にβ3の蛋白を発現させαVβ3のダイマーを形成させる目的で,まず全長約2300bpのcDNAをMDA-MB231から抽出した. この全長cDNAの塩基配列を,これまでの塩基配列報告2例と比べたところ一部に相違が見られ,アミノ酸配列も異なることが判明した.このcDNAが,正常細胞由来のβ3と機能的に差異があるか注目されるところである.今後,骨転移を形成しない乳癌細胞にβ3のcDNAを,stable transfectし,骨転移形成能が変化するかを調べる予定であるが,その際,これまで報告されている正常細胞由来のcDNAもcontrolとして用いる必要があるため,現在さらにβ3のvariant cDNAの単離に取り組んでいる. 2001年4月に研究代表者 正村の人事異動があり,研究室のセットアップに時間がかかったため,乳癌組織アーカイブを用いた免疫組織染色の基礎実験については,まだ十分行っていない.これまでの染色実験からは,抗原活性が安定して得られておらず,熱処理/前処理の工夫が必要であると考えており,今後の課題である.
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