2001 Fiscal Year Annual Research Report
カンナビノイドを標的とした重症急性膵炎に対する新しい治療法の開発
Project/Area Number |
13671276
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Research Institution | Tohoku University |
Principal Investigator |
武田 和憲 東北大学, 大学院・医学系研究科, 助教授 (20171639)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
松野 正紀 東北大学, 大学院・医学系研究科, 教授 (80004737)
澁谷 和彦 東北大学, 医学部・付属病院, 助手 (70260429)
砂村 眞琴 東北大学, 医学部・付属病院, 講師 (10201584)
丸山 征郎 鹿児島大学, 医学部・臨床検査医学, 教授 (20082282)
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Keywords | 急性膵炎 / カンナビノイド / アナンダマイド / サイトカイン / TNF-alpha |
Research Abstract |
急性膵炎におけるサイトカイン値およびアナンダマイド値の測定 : Wistar系雄性ラット(200〜250g)を用い、5%タウロコール酸を胆膵管内に逆行性に注入して重症急性膵炎モデルを作成した。膵炎作成後、1,6,24時間目に頸動脈から採血し、血清アミラーゼ値、血清TNF-alpha値、血漿アナンダマイド値を測定した。また、腹腔内に冷PBS30mlを注入し、回収した洗浄液中のTNF-alpha値を測定した。対照として正常ラットの血清アミラーゼ値、血清TNF-alpha値、血漿アナンダマイド値、腹腔内洗浄液中TNF-alpha値を測定した。血漿アナンダマイドは高速液体クロマトグラフィーと質量分析を組み合わせたLC/MS/MS法によった。内部標準として、d8-アナンダマイドを用いた。各測定値(mean±SE,n=4)は以下の通りであった。血清アミラーゼ値(IU/L) : Control ; 1460±167,1h;10665±230,6h ; 11753±793,24h ; 11688±692、血清TNF-alpha値(pg/mL) : Control ; 8.7±1.8,1h ; 15.7±1.2,6h ; 24.7±1.4,24h ; 147.7±46.8、洗浄液中TNF-alpha値pg/mL):Control;11.8±4.2,1h ; 183.5±30.0、6h ; 94.3±13.5,24h ; 309.9±87.6、血漿アナンダマイド値(pg/mL) : Control ; 2706±71,1h ; 2683±245,6h ; 5122±347,24h ; 8128±3021。本研究では膵炎作成後1時間目までに肉眼的に出血性壊死性膵炎が完成しており、血清アミラーゼ値も膵炎作成後1時間目までに著明に上昇していた。腹腔内洗浄液中TNF-alpha値は膵炎作成後1時間目で一過性に上昇し、以後24時間目までに再上昇を示したのに対して、血清TNF-alpha値は膵炎作成後24時間目までに経時的に上昇した。急性膵炎における血漿アナンダマイド値の変化についてはこれまでに全く報告がなかったが、本研究結果から、重症急性膵炎モデルにおいて血漿アナンダマイド値が経時的に上昇することが明らかになった。
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