2001 Fiscal Year Annual Research Report
排便時に大腸に出現する巨大伝播性収縮波抑制による下痢治療の新しい展開
Project/Area Number |
13671277
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Research Institution | Tohoku University |
Principal Investigator |
舟山 裕士 東北大学, 医学部・附属病院, 講師 (50192315)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
柴田 近 東北大学, 医学部・附属病院, 助手 (30270804)
内藤 広郎 東北大学, 医学部・附属病院, 講師 (90180223)
佐々木 巖 東北大学, 大学院・医学系研究科, 教授 (60125557)
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Keywords | α2受容体 / yohimbine / 巨大伝播性収縮 |
Research Abstract |
平成13年度は、犬で、排便時に大腸に出現する巨大伝播性収縮波を誘発できる刺激を確立することを目的として、実験を進めた。犬で全身麻酔下に開腹し、大腸5カ所、回腸2カ所、十二指腸の計8カ所に消化管輪状筋収縮測定用のstrain gauge force transducerを縫着した。2週間の回復期間の後に、意識下で消化管運動を測定した。空腹期の結腸運動が亢進していない時期に、α2受容体拮抗剤であるyohimbine0.5,1,3 mg/kgを静脈内投与し、排便と大腸運動に対する効果を検討した。その結果、yohimbine0.5と3 mg/kgは全ての投与で回腸に始まり近位結腸へと急速に伝播する巨大伝播性収縮を誘発し、この巨大伝播性収縮波が遠位結腸にまで到達すると排便が誘発されることが明かとなった。巨大伝播性収縮波が遠位結腸にまで到達する確率は60%であった。yohimbine 1 mg/kgでも、高頻度に回腸に始まり近位結腸へと伝播する巨大伝播性収縮が観察されたが、遠位結腸にまで到達して排便を誘発することはなかった。投与用量の違いによりこのように結腸運動の反応に差が生じる理由は現在の所不明である。平成14年度は、このようなyohimbineによる結腸運動亢進作用が各種拮抗剤(opiate受容体拮抗剤naloxone 1 mg/kg,neurokinin 1受容体拮抗剤FK224 1 mg/kg,セロトニン3受容体拮抗剤ondansetron 1 mg/kg、交感神経遮断剤phentolamine+propranolo 0.5 mg/kg+0.5mg/kg、抗コリン剤atropine 1 mg/kg、hexamethonium 5 mg/kg)により変化するのかどうか、について検討し、メカニズムを明らかにする予定である。
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