2001 Fiscal Year Annual Research Report
大腸癌細胞の放射線感受性と関連遺伝子との相関並びにその臨床的応用
Project/Area Number |
13671285
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Research Institution | The University of Tokyo |
Principal Investigator |
堀 信一 東京大学, 医学部・附属病院, 助手 (90282631)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
名川 弘一 東京大学, 医学部・附属病院, 教授 (80228064)
渡辺 聡明 東京大学, 医学部・附属病院, 助教授 (80210920)
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Keywords | 大腸癌 / 初代培養 / 放射線感受性 |
Research Abstract |
手術標本よりsampleをとり、酵素処理して得た単細胞浮遊液を培養し、クローニングした。各細胞株について形態並びにsoft agar内培養にて腫瘍性を確認した後、放射線によるP53、P21蛋白の発現をWestern Blottingで確認し、P53の変異についてはPCR-SSCP法並びにdirect-sequence法にて検討した。APCについてはWestern Blottingにてtruncationを確認した。同一癌組織から得られたP53野性株とP53変異株について96well plateを用いたcolony formation assayにて放射線感受性を比較した。APC蛋白についてはほぼすべての細胞株で由来した癌により一定のサイズのtruncationが確認され、APCの変異が発ガン過程において比較的初期に起こる重要なeventであることが示唆された。一方P53については、約半数で変異を認めるものの、同一癌由来でも野性株と変異株が存在し、同一癌由来で異なった部位の変異を認める細胞株もあった.大腸癌のheterogeneityを示す所見と考えられ、P53の変異の有無が放射線感受性や薬剤感受性に影響すること予想された。同一癌由来のP53野性株、P53変異株の放射線感受性を比較したところ、有意な差を認め、放射線治療により腫瘍細胞のpopulationの変化が起こる可能性があり、実際の治療計画において考慮すべき問題であると考えられた。 今後、sampleの数を増やし、P53、P21等の発現と放射線、抗癌剤に対する感受性の相関についてさらに分析をすすめる予定である。
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