2001 Fiscal Year Annual Research Report
cDNA microarray を利用した大腸癌の網羅的遺伝子解析
Project/Area Number |
13671302
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Research Institution | Osaka University |
Principal Investigator |
関本 貢嗣 大阪大学, 医学系研究科, 講師 (10273658)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
田村 茂行 大阪大学, 医学系研究科, 助手 (80281129)
安田 卓司 大阪大学, 医学系研究科, 助手 (10324782)
山本 浩文 大阪大学, 医学系研究科, 助手 (30322184)
池永 雅一 大阪大学, 医学系研究科, 助手
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Keywords | マイクロアレイ / 大腸癌 / 個性化診断 / 網羅的遺伝子解析 |
Research Abstract |
今年度の本研究によって得られた知見について報告する。本研究ではポストゲノム時代における網羅的遺伝子発現解析ツールとして注目を集めているcDNAマイクロアレイを独自に開発・作製し、臨床検体を用いて遺伝子発現プロファイル解析について検討した。研究目的は、大腸癌に特徴的な遺伝子解析のための遺伝子を選択すること、豊富かつ十分な情報量を有し、さらに結果の正確性に優れたマイクロアレイ作製することであった。まず、大腸組織での遺伝子情報を濃密化するために、大腸癌部、正常粘膜、肝転移巣由来のcDNA library 30000クローン及び文献上の大腸癌関連遺伝子約170個より発現頻度情報をもとに重複のない約4600個を選択した。マイクロスポット上での高精度のhybridization条件を達成した後、実際の臨床大腸癌サンプルを用いて発現プロファイルを検討した。その結果、正常に比べ癌部で2倍以上の発現上昇している遺伝子23個と、1/2倍以下に発現低下している遺伝子36個、計59個を大腸癌関連候補遺伝子として同定した。これらのうち15遺伝子はこれまでに文献で報告されているものであり、14遺伝子についてはsemiquantitative RT-PCR、12遺伝子についてはSAGEデータベースで発現比の確認をとったが、マイクロアレイのデータと相同性はそれぞれ93%、83%といずれも非常に高かった。以上よりこのマイクロアレイは、情報量に富みかつ正確性を有するものと考えられた。今回開発したcDNAマイクロアレイは、臨床病理学的事項を裏付ける遺伝子発現パターンの同定や、癌の発育・進展の解明に役立つものと考えられる。さらに、今後、癌の個性化診断の向上や、個々の症例に応じた癌治療(オーダーメード医療)による治療成績の向上に繋がることが期待され今後、臨床応用に向けた解析が期待される。
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Research Products
(1 results)
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[Publications] Takemasa I, Sekimoto M, et al.: "Construction of Preferential cDNA Microarray Specialized for Human Colorectal Carcinoma : Molecular Sketch of Colorectal Cancer"Biochem Biophys Res Commun. 285. 1244-1249 (2001)