2003 Fiscal Year Annual Research Report
高度進行胃・大腸癌に対する癌遺伝子HER2産物の制御に基づく新しい治療法の確立
Project/Area Number |
13671313
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Research Institution | 大分医科大学 |
Principal Investigator |
猪股 雅史 大分大学, 医学部, 講師 (60315330)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
石川 浩一 大分大学, 医学部, 助手 (30363550)
白石 憲男 大分大学, 医学部, 助教授 (20271132)
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Keywords | 胃癌 / 腹膜播種 / 分子標的治療 / HER2 / マウス転移モデル |
Research Abstract |
進行・再発胃、大腸癌に対する癌遺伝子HER2産物に対する抗ヒトモノクローナル抗体(Herceptin)を用いた分子標的治療の臨床応用を目的とし、以下の研究を行った。 (A)Retrospective study(B)培養細胞を用いたHerceptinの癌増殖抑制の検討(C)動物モデルを用いた癌増殖,転移抑制の検討 今年度は、(B)および(C)に関して、下記のような研究成果を得た。 (1)in vitroで、HER2過剰発現を示す胃がん細胞株NCI-N87の増殖は、抗HER2抗体の投与にて抑制を示した。 (2)in vivo実験にて、ヌードマウスの皮下に胃がん細胞株NCI-N87を投与し、腫瘤形成を行う系において、抗HER2抗体の投与によって腫瘍増殖は抑制を示した。 (3)MKN45Pの腹腔内投与による癌性腹膜炎モデルにおいて、抗HER2抗体投与群は、コントロール群と比較し延命効果を認めた。 これらの研究結果より、抗HER2抗体(Herceptin)療法は、HER2タンパク過剰発現を示す胃癌の皮下および腹腔内の腫瘍増殖を抑制しうることが明らかとなった。 HER2過剰発現を示す胃癌の癌性腹膜炎の治療法としてもその有効性が期待できると考えられた。 今後は再発・進行胃癌患者への臨床応用が期待できる。
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Research Products
(6 results)
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[Publications] Yasuda K: "Superficially spreading cancer of the stomach"Ann Surg Oncol. 9(2). 192-196 (2002)
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[Publications] 猪股雅史: "大腸癌リンパ節微小転移-予後因子としての臨床的意義-"G.I.Research. 11(3). 27-32 (2003)
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[Publications] Inomata M: "Gastric remnant cancer compared with primary proximal gastric cancer"Hepato-Gastroenterology. 50(50). 587-591 (2003)
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[Publications] 猪股雅史: "悪性腫瘍への腹腔鏡下手術の現況"外科治療. 90(1). 7-13 (2004)
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[Publications] 猪股雅史: "高齢者胃癌診療の変遷-外科から-"老年消化器病. (in press). (2004)
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[Publications] Yasuda K: "Clinicopathologic characteristics of early-stage mucinous gastric carcinoma"J Clin Gastroenterol. (in press). (2004)