2002 Fiscal Year Annual Research Report
肝臓外科における門脈・下大静脈再建に関する若干の実験的研究
Project/Area Number |
13671343
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Research Institution | Dokkyo University School of Medicine |
Principal Investigator |
山口 真彦 獨協医科大学, 医学部, 教授 (00266149)
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Keywords | 下大静脈再建 / 肝切除 / HGF / 内皮化 |
Research Abstract |
本研究では(1)ビーグル犬を用いて肝切除と門脈あるいは下大静脈合併切除再建を行い、門脈、下大静脈に挿入した代用血管を経時的に観察し、同種血管、人工血管について閉塞などの病態について肝切除の影響を比較検討すること、(2)また予想される早期閉塞については、人工血管を内皮化し、その有用性を検討すること、(3)さらにグラフト上の内皮細胞に肝細胞増殖因子(HGF)遺伝子を導入し、HGFの肝細胞増殖、細胞傷害抑制、細胞外マトリックス融解、血管新生などの作用を期待して肝切除後の肝再生促進効果をみるとともにグラフト開存や内膜肥厚、側副血行に対する効果を観察すること、を目的として実験的研究を計画したが、平成14年度は平成13年度の検討で確認したHGFアデノウイルスベクターのイヌ頚静脈内皮細胞に対する至適ベクター濃度としては細胞1個あたり50PFUであることから、まず、内皮細胞の培養とともにHGFアデノウイルスベクターの大量調整を行い、グラフトの内皮化を行い、肝右葉とともに下大静脈を切除し、内皮化したグラフトで置換した。5頭のビーグル犬を用いて行ったが、2頭生存したが、3頭は1週以内に死亡した。死因は過大侵襲、出血で、生存した2頭を4週後に犠死させ、肝の再生とグラフトを観察したが、グラフト上に内皮細胞は存在し、血栓の付着はみられなかった。また、肝の再生については内皮化しないグラフト(4頭)と比べても著変はなかった。経過中、術後3,7,10,14日に血中のHGFを測定したが、感度以下で測定できなかった。グラフト上の内皮細胞だけにHGF遺伝子を導入しても活性を示す遺伝子発現量には至らないのではないかと推察された。
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Research Products
(7 results)
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[Publications] Okuyama T, Oya M, Yamaguchi MI: "Budding(sprouting)as a useful prognostic marker in colorectal mucinous carcinoma"Jpn J Clin Oncol. 32. 412-416 (2002)
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[Publications] Masahiko Yamaguchi, Genshu Tate, Satoshi Wakasugi, et al.: "Diffuse cystic malformation with early cancer of the stomach"Showa Univ Med Sci. 14. 75-81 (2002)
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[Publications] Masahiko Yamaguchi, Genshu Tate, Yasuo Yoshizawa, et al.: "Hepatocellular Carcinoma in a Patient with Acromegaly and High Serum Levels of Insulin-like Growth Factor I : Report of a Case"Surg Today. 32. 1008-1011 (2002)
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[Publications] Min Li, Gehshu Tate, Masahiko Yamaguchi, et al.: "A case of chromophobe renal cell carcinoma coincident with malignant gastrointestinal stromal tumor"Showa Univ J Med Sc. 14. 169-173 (2002)
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[Publications] 山口真彦, 浅川清人, 高木悦子, 中島政博, 根本洋, 真田裕, 熊田馨: "回盲部合併小腸大量切除に対する実験的検討:成分栄養、IGF-1投与の効果について"外科と代謝・栄養. 36. 49-54 (2002)
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[Publications] 山口真彦, 伊津野久紀, 松本匡史, 熊田馨, 盾玄秀, 光谷俊幸: "穿孔性腹膜炎を来した小腸悪性リンパ腫の一例"外科治療. 86. 604-607 (2002)
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[Publications] 山口真彦, 熊田馨: "今日の消化器疾患治療指針(第2版):Budd-Chiari症候群"多賀須幸男、三田村圭二、幕内雅敏編集、医学書院. 930 (2002)