2003 Fiscal Year Annual Research Report
CGH法と定量的経時的マイクロサテライト分析法を用いた胃癌組織の新しい遺伝子診断
Project/Area Number |
13671351
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Research Institution | Nippon Medical School |
Principal Investigator |
鈴木 成治 日本医科大学, 医学部, 助手 (60333118)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
川並 汪一 日本医科大学, 老人病研究所, 教授 (70096973)
笹島 耕二 日本医科大学, 医学部, 助教授 (80158930)
江上 格 日本医科大学, 医学部, 教授 (60089703)
長谷川 博一 日本医科大学, 医学部, 講師 (60218451)
渡辺 秀裕 日本医科大学, 医学部, 講師 (40191788)
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Keywords | CGH / 定量的経時的マイクロサテライト分析法 / マイクロサテライトマーカー / 胃癌 / ZNF217 / D8S1801 / D16S3026 |
Research Abstract |
胃癌新鮮凍結標本30例を用いて定量的経時的マイクロサテライト分析法(Quantitative real time microsatellite analysis : QuMA)に基づいて標的領域のDNAコピー数を検出した。CGH分析にてDNAコピー数変化を高頻度に認めた各染色体領域のうち、8q(D8S530,D8s1724,D8S1801)、20q(D20S911,D20S185)、16q(D16S3140,D16S3026)の各CA repeat marker領域及び特定遺伝子領域としてZNF217(2013.2)を標的領域とした。更に、CGH分析で変化に乏しい6種類のCA repeat markerのmixtureをReference markerは用いた。8q及び20q gain,16q lossは各々60.0%・26.7%・43.3%に認めた。3領域におけるDNAコピー数の変化様式は多種多様で,genetic instabilityの程度が様々であることが示唆された。QuMAでのD16S3026のlossを呈する症例は有意に累積生存率が低下した(P=0.0158)。更に、D8S1801のgain, D16S3026のlossの両者何れも呈する症例(Double marker positive)は極めて有意に予後良好であった(P=0.0008)。Cox Proportional Hazard ModelではFinal stageと共にD16S3026 loss (RR:5.928,P=0.0198)又はDouble marker positive(RR:17.176,P=0.0022)が独立した予後不良因子であることが判明した.以上の結果より、CGH分析で標的領域を選択し、かつReference markerを作成出来れば、短時間のうちに正確かつ安価で多数の臨床検体に対し、DNAコピー数を求めることが可能となり、新たなPrognostic factorを検索できることが示唆された. 以上の結果につき,第89回日本消化器病学会総会、第102回日本外科学会定期学術集会,第62回日本癌学会総会,第76回日本胃癌学会総会で発表した。また、これらの成果について雑誌Clinical Cancer Researchに投稿し,2004年1月に受理され同年5月に刊行予定である.消化器癌では初めての報告となる.
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Research Products
(1 results)