2003 Fiscal Year Annual Research Report
大腸癌に対する生化学的抗腫瘍剤アンチネオプラストンの抗腫瘍効果に関する研究
Project/Area Number |
13671364
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Research Institution | Kurume University |
Principal Investigator |
白水 和雄 久留米大学, 医学部, 教授 (20216203)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
緒方 裕 久留米大学, 医学部, 助教授 (20177124)
津田 英照 久留米大学, 医学部, 教授 (10080920)
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Keywords | アンチネオプラストン / AS2-1 / A10-I / 大腸癌 / G1細胞休止 / アポトーシス / p16 / p21 |
Research Abstract |
1)大腸癌細胞に対するアンチネオプラストン(AN)の抗腫瘍メカニズム a.細胞周期の解析 A10-IおよびAS2-1はKM12SM,SW620,SW1417,Colo206,HCT116いずれの細胞に対しても1mg/ml以上の濃度でG1期細胞の比率が上昇し,A10-IおよびAS2-1の大腸癌細胞に対するG1休止作用が示唆された.さらに高濃度ではsubG1期細胞(死細胞)が認められ,G1期細胞比率は低下し,HCT116細胞(wild53)ではG2期細胞比率が増加した. b.細胞周期調節因子発現の検討 KM12SM(mutant p53)およびHCT116細胞を0〜5mg/mlのAS2-1で0〜72時間培養し,細胞内cyclins, cyclin dependent kinases(CDKs),p16,p21およびリン酸化Rb発現をwestern blotにより解析した.AS2-1は両細胞に対しG1期を制御するcycline D, Eおよびリン酸化pRb発現を濃度・時間依存的に抑制し,p16およびp21発現を濃度・時間依存的に増強した.一方,HCT116細胞ではAS2-1によるG2期制御因子であるcdc2の発現現弱が認められた. c.アポトーシスの誘導 高濃度(5mgから10mg/ml)のAN処理により認められるsub G1期大腸癌細胞は大部分がAnnexin V陽性のアポトーシス細胞であった.すなわち,アンチネオプラストンAS2-1が高濃度になると何らかのアポトーシス誘導機構が活性化され,G1期細胞休止からアポトーシスの誘導が示唆された. 2)大腸癌肝切除後のANの効果(無作為割付け比較試験) AN群:22例,非投与群:25例時点の中間解析では,両群間に再発率の差異は認めないものの,AN群の生存率は有意に高率で,再発例に対する外科治療の頻度が高率である.
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Research Products
(5 results)
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[Publications] 緒方 裕: "大腸癌肝転移に対する肝切除後補助療法としての生化学的抗腫瘍剤アンチネオプラストン投与"臨床と研究. 78. 2099-2102 (2001)
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[Publications] Tsuda H.: "A novel strategy for remission induction and maintenance in cancer therapy"ONCOLOGY REPORTS. 9. 65-68 (2002)
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[Publications] 的野 敬子: "生化学的抗腫瘍剤アンチネオプラストンが奏効した大腸癌切除不能多発肝転移の1例"臨床と研究. 80. 373-376 (2003)
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[Publications] Tsuda H.: "The preventive effect of antineoplaston AS2-1 on HCC recurrence"ONCOLOGY REPORTS. 10. 391-397 (2003)
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[Publications] Ogata Y.: "Long-term survival following treatment with antineoplastons for colon cancer with unresectable multiple liver metastases : report of a case"Surgery Today. 448-453 (2003)