2001 Fiscal Year Annual Research Report
遺伝子導入によって活性化される抗原提示細胞を用いた消化器腫瘍に対する抗腫瘍効果
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13671367
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Research Institution | Chiba Cancer Center (Research Institute) |
Principal Investigator |
田川 雅敏 千葉県がんセンター, 病理研究部, 部長 (20171572)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
落合 武徳 千葉大学, 大学院・医学研究院・先端応用外科学, 教授 (80114255)
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Keywords | 遺伝子治療 / CD40リガンド / CD40 / 樹状細胞 / 獲得免疫 / CD86 |
Research Abstract |
抗原提示能を担う樹状細胞を活性化させ、腫瘍に対する免疫応答を強化させるため、樹状細胞の細胞膜上に存在するCD40分子を、そのリガンド分子の遺伝子を腫瘍細胞に発現させることによって刺激させた。まず、レトロウイルスを用いて腫瘍細胞に、CD40リガンド遺伝子を発現させ、その発現をフローサイトメトリーで確認した。主要組織適合抗原の発現、およびインビトロ増殖能が、親株と変わらない遺伝子導入細胞を選択し、この細胞を同系マウスの皮下に接種し、抗腫瘍効果が惹起されるかどうかを検討した。その結果、(1)CD40リガンド遺伝子導入細胞は、腫瘍を形成したものの、その増殖能は親株のそれと比較して、著しく低下していた。(2)一部の遺伝子導入細胞は、当初より腫瘍を形成することなく、完全に拒絶された。(3)遺伝予導入細胞を拒絶した同系マウスに、再度致死量の親株を接種しても、腫瘍は形成されなかったが、同系マウス由来の他の腫瘍を接種すると、その腫瘍は生着した。したがって、腫瘍にCD40リガンド遺伝子を発現させると、抗原特異的な獲得免疫が宿主に誘導されることがあきらとなった。そこで、実際に樹状細胞が腫瘍上のCD40リガンド分子と反応するかどうかを確認するために、マウス骨髄細胞より、IL-4とGM-CSFを用いて、樹状細胞を単離し、その上でCD40リガンド遺伝子導入細胞あるいは親株細胞と共に培養した。その結果(1)遺伝子導入細胞と樹状細胞はクラスターを形成したが、親株と共培養した樹状細胞ではこのクラスター形成は見られなかった。(2)遺伝子導入細胞と共培養した後の樹状細胞では、主要組織適合抗原クラスII分子の発現、また樹状細胞の活性化の指標であるCD86分子の発現も、共培養前と比較して高まっていた。したがって、樹状細胞は腫瘍細胞上のCD40リガンド分子によって、活性化され抗腫瘍効果を惹起したと考えられる。
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Research Products
(6 results)
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[Publications] Kawamura K, Tagawa M, et al.: "Bystander ettect in uracil phosphoribosyltransferase/5-fluorouracil-mediated suicide gene therapy is correlated with the level of intercellular communication"Int. J. Oncol.. 18. 117-120 (2001)
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[Publications] Matsubara H, Ochiai T, et al.: "Combinatory anti-tumor effects of electroporation-mediated chemotherapy and wild-type p53 gene transfer to human esophageal cancer cells"Int. J. Oncol.. 18. 825-829 (2001)
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[Publications] Matsubara H, Ochiai T, et al.: "Electroporation-mediated transfer of cytokine genes into human esophageal tumors produces anti-tumor effects in mice"Anticancer Res.. 21. 2501-2504 (2001)
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[Publications] Miyauchi M, Tagawa M, et al.: "Expression of herpers simplex virus-thymidine kinase gene controlled by a promoter region of the midkine rene confers selsctive cytotoxicity to ganciclovir in humancarcinoma cells"Int. J. Cancer. 91. 723-727 (2001)
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[Publications] Tada Y, Tagawa M, et al.: "T cell dependent and independent antitumor immunity generated by the expression of Fas ligand on mouse lung carcinoma cells"Int. J. Mol. Med.. (in press).
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[Publications] Yoshida Y, Tagawa M, et al.: "A promoter region of midkine gene can activate transcription of an exogenous suicide gene in human pancreatic cancer"Anticancer Res.. (in press).