2002 Fiscal Year Annual Research Report
p53標的遺伝子発現プロファイリングによる肺癌の遺伝子治療の治療耐性機構の解析
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13671390
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Research Institution | OKAYAMA UNIVERSITY |
Principal Investigator |
藤原 俊義 岡山大学, 医学部附属病院, 助手 (00304303)
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Keywords | p53 / 遺伝子治療 / 肺癌 / アデノウイルスベクター / 治療抵抗性 |
Research Abstract |
p53により誘導されるアポトーシスの分子レベルでのメカニズムを解析し、より効果的なアポトーシス誘導の可能性を検討した。まず、癌細胞へのp53遺伝子導入により、その標的遺伝子の発現がどのように変化するかを定量的に解析するシステムを樹立した。具体的には、real-time RT-PCR法を用いてp53標的遺伝子の発現変化を定量的に測定した。in vitroでp53遺伝子を欠失している非小細胞肺癌細胞H1299にp53遺伝子発現アナノウイルスベクター(AdsCMV-p53)を感染させ、そのp53遺伝子発現の増強に伴う標的遺伝子の発現変化を観察し右検討した遺伝子は、サイクリン依存性キナーゼ阻害因子p21、アポトーシス誘導因子p53AIP1、Noxa、およびp53の分解に関与する癌遺伝子MDM2である。いずれの標的遺伝子もp53遺伝子遣入後24時間をピークに発現増強が認められた。さらに、in vivoでの標的遺伝子発現の誘導を検討した。ヌードマウスにH1299細胞を移植し、直径が5-7mmになった時点でAdCMV-p53ベクターを腫瘍内に局所投与し、経時的に採取した腫瘍片から抽出したRNAを用いてreal-time RT-PCRを行った。in vitroのデータと同様に24時間後をピークにp5AIP1、Noxa、MDM2、p21遺伝子の発現増強がみられた。p21、MDM2、Noxaの発現はp53遺伝子導入後1日目に最大となり、遺伝子発現量はp21が最大であった。また投与後2-3日目にアポトーシスが最も多く誘導されていた。さらに、P53の標的遺伝子であるp21遺伝子プロモーターにより駆動するGFP発現プラスミドを導入した肺癌細胞を樹立した。樹立細胞によるマウス皮下腫瘍にin vivoでp53遺伝子導入後、高感度蛍光感知カメラにて蛍光光度の変化を経時的襯察し、簡便かつ非侵襲的な方法で腫瘍内でのp53転写活性をリアルタイムに可視化した。導入されたp53に反応してp21プロモーターにより誘導されたGFP発現は3日目に最大となり7日目には著明に減弱していた。これらの技術を用いて、AdCMV-p53を腫瘍内投与した患者から採取した48時間後の生検組織のRNAからreal-time RT-PCRを行った。p53、Noxa、およびp53AIP1遺伝子発現は投与後確実に上昇していたが、p21、MDM2に関しては一定の傾向はみられなかった。また、p53およびp53標的遺伝子の発現は、6ケ月を越える治療期間中も繰返し認められており、導入効率は維持できていることが示唆された。
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Research Products
(7 results)
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[Publications] Shao, J., Fujiwara, T., et al.: "p53 inhibits adriamycin-induced down-regulation of cyclin D1 expression in human cancer cells"Biochem.Bioph.Res.Co.. 290. 1101-1107 (2002)
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[Publications] Katsuda, K., Fujiwara, T., et al.: "Activation of caspase-3 and cleavage of Rb are associated with p16-mediated apoptosis in human non-small cell lung cancer cells"Oncogene. 21. 2108-2113 (2002)
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[Publications] Tango, Y., Fujiwara, T., et al.: "Adenovirus-mediated p14^<ARF> gene transfer cooperates with Ad5CMV-p53 to induce apoptosis in human cancer cells"Hum.Gene Ther.. 13. 1373-1382 (2002)
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[Publications] Teraishi, F., Fujiwara, T., et al.: "Ectopic p21^<sdi1> gene transfer induces retinoic acid receptor beta expression and sensitizes human cancer cells to retinoid treatment"Int.J.Cancer. 103. 833-839 (2003)
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[Publications] 藤原俊義, 田中紀章: "p53遺伝子治療における抗腫瘍活性増強のストラテジー"遺伝子医学. 6. 15-20 (2002)
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[Publications] 藤原俊義, 田中紀章: "p53遺伝子を用いた癌の遺伝子治療"癌の臨床. 48. 303-311 (2002)
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[Publications] 藤原俊義, 田中紀章: "遺伝子治療「TECHNICAL TERM緩和医療」"先端医学社. 172-173 (2002)