2003 Fiscal Year Annual Research Report
一酸化窒素による冠血管・肺血管内皮細胞での虚血再灌流障害抑制機序の解明
Project/Area Number |
13671394
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Research Institution | Kochi University |
Principal Investigator |
野並 芳樹 高知大学, 医学部附属病院, 講師 (20164717)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
濱里 真二 高知大学, 医学部, 助手 (60228533)
笹栗 志朗 高知大学, 医学部, 教授 (60196186)
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Keywords | L-arginine / 再灌流障害 / 一酸化窒素 |
Research Abstract |
ラット胎児由来の心筋細胞を用い、培養液中に予めL-arginineを添加し、無酸素状態に置いた後、酸素化培養液で置換するといった摸擬再灌流状態を行った。L-arginineを各濃度に分けた投与群とL-arginine無投与のcontrol群に分け特殊チャンバー下での90分間の虚血(PaO^2 0mmHg、PaCO^2 40mmHg)、30分間の再灌流(PaO^2 150mmHg、PaCO^2 40mmHg)を行った。細胞障害の検索は心筋細胞内へのtrypan blue uptake率を測定した結果、control群に比べL-arginineを投与した群でL-arginine 3mMol/L投与の群ではcontrol群比べ、有意(P<0.05)の心筋細胞障害率の低下傾向を認め、L-arginineを虚血前に投与すると心筋細胞保護効果があることが明らかになった。同様にL-arginineの虚血前投与群と再灌流前投与群に別け、心筋細胞保護効果を比較した。一酸化窒素測定装置(WPI社製ISO-NO Mark II)でL-arginineの3mMol/L投与での細胞培養液中の一酸化窒素濃度、細胞内cGMP濃度を測定した処、control群と比べ、約2〜3倍と有意に高値を示した。NO合成酵素阻害剤NG-nitro-L-arginine methyl ester L-NAME (100μmol/l)をL-arginineの3mMol/L群に付加した処、control群と比べ、差異を認めなかった。以上の結果から、L-arginineの3mMol/L群での心筋細胞保護効果は細胞内cGMP濃度を上昇させることによって得られること、NO-cGMP-dependent pathwayを通じて行われていることが判明した。
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