2001 Fiscal Year Annual Research Report
肺癌における遺伝子異常:特にP16^<INK4a>とP14^<ARF>について
Project/Area Number |
13671398
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Research Institution | Nagoya City University |
Principal Investigator |
梶 政洋 名古屋市立大学, 医学部, 助手 (30326144)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
山川 洋右 名古屋市立大学, 医学部, 助教授 (40148284)
藤井 義敬 名古屋市立大学, 医学部, 教授 (40156831)
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Keywords | p16^<INK4a> / p14^<ARF> / pRb / p53 / 肺癌 |
Research Abstract |
1)正常肺組織と原発性非小細胞肺癌組織のcompetitive RT-PCR法によるp16^<INK4a>とp14^<ARF>の定量的検討 原発性非小細胞肺癌切除例73例の正常肺組織と腫瘍組織を対象にp16^<INK4a>とp14^<ARF>のmRNAの発現の比率をcompetitive RT-PCR法を用いて解析し臨床病理学的所見との関連を検討した。正常肺組織(n=73)ではp16^<INK4a>の発現はp14^<ARF>の発現と同等か僅かに強かった。腫瘍組織では73例中49例(67%)でp16^<INK4a>の発現はp14^<ARF>の発現と同等か僅かに弱く、23例(32%)でp16^<INK4a>の発現はp14^<ARF>の発現と比較して弱く、1例(1%)のみp16^<INK4a>の発現はp14^<ARF>の発現と比較して強かった。腫瘍組織におけるp16^<INK4a>とp14^<ARF>のmRNAの発現の比率(以下p16^<INK4a>/p14^<ARF>値)と臨床病理学的所見との検討では、p StageII・III・IV症例(n=38)はp StageI症例(n=35)に比べて有意にp16^<INK4a>/p14^<ARF>値が低く(p=0.029)、p T2・T3・T4症例(n=57)はp T1症例(n=16)に比べて有意にp16^<INK4a>/p14^<ARF>値が低く(p=0.045)、p N1・N2・N3症例(n=18)はpNO症例(n=55)の比べて有意にp16^<INK4a>/p14^<ARF>値が低かった(n=0.015)。以上の結果より原発性非小細胞肺癌においてp16^<INK4a>とp14^<ARF>のmRNAの発現の比率は腫瘍進展と関連していることが示唆された。 2)免疫組織染色法による原発性非小細胞肺癌組織におけるp16^<INK4a>・p14^<ARF>・pRb・p53の発現の検討 原発性非小細胞肺癌56例におけるp16^<INK4a>・p14^<ARF>・pRb・p53の蛋白レベルでの発現の有無を免疫組織学的に検討した。各蛋白の陽性率はp16^<INK4a>(59%)、p14^<ARF>(64%)、pRb(60%)・p53(41%)であった。p16^<INK4a>とpRbの発現では逆相関を認めた。また、p14^<ARF>とp53の発現では逆相関の傾向が認められた。原発性非小細胞肺癌56例中51例(91%)においてpRbならびにp53経路の一方または両方に発現異常が認められた。
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