2001 Fiscal Year Annual Research Report
心臓外科手術と手術侵襲:特に白血球と血管内皮接着分子の遺伝子発現
Project/Area Number |
13671412
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Research Institution | Nippon Medical School |
Principal Investigator |
羽鳥 信郎 日本医科大学, 医学部, 助教授 (70322500)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
田中 茂夫 日本医科大学, 医学部, 教授 (70089720)
落 雅美 日本医科大学, 医学部, 助教授 (90160887)
大久保 直子 日本医科大学, 医学部, 助手 (30277503)
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Keywords | 手術侵襲 / 人工心肺 / 冠動脈バイパス術 / 炎症性サイトカイン / mRNA |
Research Abstract |
本大学内の倫理委員会承認後、文書による承諾の得られた、冠動脈バイパス手術(CABG)20例を対象として人工心肺を用いないoff-pump及び人工心肺使用のon-pump CABGにおける生体侵襲の程度を、白血球分画中の炎症性サイトカインおよび接着分子のm-RNAの動向を指標として比較検討した。手術開始時及びその6時間後の末梢血液を採取し、白血球分画中のHO-1、HO-2、IL-6、IL-8、IL-10、IL-1、TNF-α、iNOS、ET-1、PECAM、l-Selectin1、Mac-1のm-RNAを抽出しRT-PCR法を用いてcDNAを増幅させ半定量的に比較検討した。両群間では手術開始時には各々のm-RNAの発現に有意差は認めなかったが、開始6時間後のon-pump群でHO-1(0.94±0.27),IL-1(1.27±0.4)、IL-8(0.53±0.23),IL-10(1.09±0.41)、TNF(0.93±0.36)、l-Selectin(1.26±0.51)、Mac-1(1.47±0.84)で有意な増加を認めた(p<0.05)。on-pump群では術後白血球分画中のサイトカインおよび接着分子mRNAの上昇を認め、off-pump群と比較しても有意に増加している。体外循環を使用しないoff-pump CABGは炎症性サイトカインおよび接着分子のm-RNAの発現の相異よりon-pump CABGに比べて有意に低侵襲であることが示された。
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