2002 Fiscal Year Annual Research Report
心臓外科手術と手術侵襲:特に白血球と血管内皮接着分子の遺伝子発現
Project/Area Number |
13671412
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Research Institution | Nippon Medical School |
Principal Investigator |
羽鳥 信郎 日本医科大学, 医学部, 助教授 (70322500)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
田中 茂夫 日本医科大学, 医学部, 教授 (70089720)
落 雅美 日本医科大学, 医学部, 助教授 (90160887)
大久保 直子 日本医科大学, 医学部, 助手 (30277503)
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Keywords | ヘパリン / エンドトキシンショック / 血管内皮 |
Research Abstract |
ヘパリンはサイトカインを吸着し、敗血症においてスカベンジャーの働きのある事が知られている。そこでリポポリサッカライド(LPS)を用いたエンドトキシンショックモデルにおいてヘパリンの血管保護効果をラットの摘出胸部大動脈リングを用いて検討した。 250〜350gのSDラット40匹を用いてペントバルビタール麻酔後、LPS10mg/kg静注単独投与群(n=10)、ヘパリン0.3mg/kg静注単独投与群(n=10)、ヘパリン+LPS投与群(n=10)、コントロール群(n=10)の4群について、フェリネフリン(3x10^<-7>M)による最大収縮を得た後、アセチルコリン(10^<-8>〜10^<-4>M)とニトロプルシッド(10^<-6>M)に対する摘出胸部大動脈リング弛緩率について検討した。 LPS単独投与群、ヘパリン単独投与群ではコントロール群に比し10^<-8>〜10^<-5>Mの濃度ではアセチルコリン依存性の血管弛緩が認められた。また、10^<-4>Mのアセチルコリンとニトロプルシッドによる血管弛緩はどの群においても差は認めなかった。一方、ヘパリンとLPS投与群ではアセチルコリン(10^<-8>〜10^<-5>M)に対する血管弛緩が得にくい事が解った。10^<-4>Mのアセチルコリンとニトロプルシッドに対する反応も他の群と差はなかった。 ヘパリンには、LPSを用いたエンドトキシンショックモデルにおいて血管内皮機能を維持する作用のある事が示唆された。
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