2001 Fiscal Year Annual Research Report
Sialyl Lewis-x oligosaccharideの再灌流障害抑制効果 -開心術心筋保護法における至適投与時期及び投与温度について-
Project/Area Number |
13671416
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Research Institution | Kurume University |
Principal Investigator |
林田 信彦 久留米大学, 医学部, 助手 (30238141)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
赤須 晃治 久留米大学, 医学部, 助手 (10330838)
友枝 博 久留米大学, 医学部, 助手 (40320220)
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Keywords | 虚血再灌流障害 / 心筋保護液 / Sialyl Lewis-X / ミエロペロキシターゼ活性 / 顆粒球エラスターゼ |
Research Abstract |
血液交差体外循環モデルを使用した摘出心に対するsialyl Lewis-X oligosaccharide(SLe-X)投与の心筋虚血再灌流障害抑制効果を評価した。 1.実験動物:Wistarラット12匹を使用した。 2.実験群:Control群:通常の常温血液心筋保護液を投与した群(n=6) Sle-X群:SLe-X(60μg/ml)を上記心筋保護液に投与した群(n=6) 3.実験方法:サポートラットを用いた血液交差体外循環モデルにドナーラットからの摘出心を装着し心筋保護液投与下に60分間の心停止を行い、120分の再灌流を行った。 4.結果 (1)循環動態:LV dp/dt、-dp/dtはSle-X群で有意に高値であった。 (2)心筋組織代謝および血管内皮細胞機能:心筋酸素消費量には有意差は認めなかったが内皮細胞依存性のnitric oxide産生はSle-X群で有意に良好に温存されていた。 (3)再灌流障害抑制効果:顆粒球エラスターゼには有意差は認めないものの心筋組織ミエロペロキシダーゼ活性はSle-X群で有意に低値であった。 5.考察 常温心筋保護液へのSle-Xの添加は虚血再灌流後の血管内皮細胞機能を温存し、心筋ミエロペロキシダーゼ活性を抑制したことから、この方法が虚血再灌流障害の抑制効果があることが示唆された。 平成13年度で実験モデルの確立が可能となったため平成14年度でSle-Xの至適投与時期、温度を検討する予定である。
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Research Products
(2 results)
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[Publications] N.Hayashida, et al.: "Influence of colforsin daropate hydrochloride on internal mammary artery grafts"Jpn Circ J. (印刷中).
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[Publications] N.Hayashida, et al.: "Coronary Artery Bypass Grafting in an Adlut Case with Kawasaki Disease"Ann Trorac Cardiovase Surg. 8. 47-50 (2002)