2001 Fiscal Year Annual Research Report
Glioma特異的遺伝子発現アデノウイルスベクターを用いた遺伝子治療の基礎的研究
Project/Area Number |
13671421
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Research Institution | Gunma University |
Principal Investigator |
栗原 秀行 群馬大学, 医学部, 講師 (30261853)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
竹内 利行 群馬大学, 生体調節研究所, 教授 (00109977)
小林 聡 群馬大学, 医学部, 助手 (00265779)
石内 勝吾 群馬大学, 医学部, 助手 (10312878)
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Keywords | glioma / nestin / gene therapy / adenovirus / targeting / Cre / loxP / p53 / HSV-TK |
Research Abstract |
神経幹細胞に特異的に発現している中間径フィラメントの一つnestinは正常脳組織では血管内皮細胞などにまれに発現しているのみであるが、神経膠腫では腫瘍細胞や内皮細胞に強く発現し、悪性度が高くなるに比例して発現率も高くなる。このnestin調節遺伝子を組み込んだアデノウイルスベクターを用い、human gliomaに対する遺伝子治療の効果をin vivoで検討した。In vivoにおける治療効果を検討するために、これまでに確立しえたnude mouse皮下移植モデルを用いた。nude mouse皮下にU251 human glioma細胞1 X 10^7 cellsを移植し、2週間前後で径が約5mmになった腫瘍にAx-2iNPNCreとAx-CALNLNLp53K各々1 X 10^8 pfuを二重感染させ、腫瘍径を計測した。さらに、二重感染後5日目に腫瘍を摘出し、周囲組織への反応を病理組織学的に検討した。Nestin特異的調節ベクターAx-2iNPNCreを用いた場合、p53遺伝子発現ベクターAx-CALNLNp53Kを投与した群では、コントロールとしてLacZ遺伝子発現ベクターAx-CALNLNLZKを投与した群に比べ、有意に腫瘍発育の抑制効果が得られた。また、nestin遺伝子をほとんど発現していない細胞ではほとんど細胞傷害性を示さなかったことから、正常神経組織を温存しつつglioma細胞特異的な細胞傷害が得られる可能性が示唆され、本ベクターシステムは正常脳へ浸潤するgliomaの治療に有用と思われた。
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