2002 Fiscal Year Annual Research Report
Glioma特異的遺伝子発現アデノウイルスベクターを用いた遺伝子治療の基礎的研究
Project/Area Number |
13671421
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Research Institution | Gunma University |
Principal Investigator |
石内 勝吾 群馬大学, 医学部, 講師 (10312878)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
竹内 利行 群馬大学, 生体調節研究所, 教授 (00109977)
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Keywords | glioma / nestin / adenovirus vector / gene theory / p53 |
Research Abstract |
神経幹細胞に特異的に発現している中間径フィラメントの一つnestinは正常脳組織では血管内皮細胞などにまれに発現しているのみであるが、神経膠腫では腫瘍細胞や内皮細胞に強く発現し、悪性度が高くなるに比例して発現率も高くなる。このnestin調節遺伝子を組み込んだ"調節アデノウイルスベクター"と、発現遺伝子にp53遺伝子を組み込んだ"標的アデノウイルスベクター"を作成し、これらを二重感染させることにより、nestinを発現する細胞に特異的にp53が発現可能と考えられる。これを用いてnestinを発現しない正常組織は傷害せずに、nestinを発現する神経膠腫細胞を特異的に障害可能かを検討した。全ての細胞でp53を発現させるCAG promoterを組み込んだコントロール調節ベクターとp53を組み込んだ標的アデノウイルスベクターを用いた場合、p53に変異をもつU251, T98G細胞株共にMTS assayで細胞障害が認められた。この2つの細胞株にnestin発現細胞に特異的に遺伝子発現可能な調節ベクターを用いてp53を発現させると、nestin高発現のU251では細胞障害を認めたが、nestinをほとんど発現しないT98Gでは細胞障害が認められなかった。以上の結果から我々の開発したnestin調節遺伝子を組み込んだ調節ベクターを用いることにより、p53の様に遺伝子発現した全ての細胞をapoptosisに導く遺伝子を用いても、正常脳組織を傷害せずに安全に遺伝子治療を行いうる可能性が示唆された。
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