2001 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
13671424
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Research Institution | Toyama Medical and Pharmaceutical University |
Principal Investigator |
遠藤 俊郎 富山医科薬科大学, 医学部, 教授 (70125269)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
平島 豊 富山医科薬科大学, 医学部, 助教授 (30135016)
濱田 秀雄 富山医科薬科大学, 附属病院, 助手 (40272918)
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Keywords | 頚動脈閉塞 / 頚動脈高度狭窄 / アテローム硬化 / 病理形態 / 血小板凝集能 / ヘパリン コファクターII |
Research Abstract |
今回の研究は、特に種々の血管病態でその変化が報告されるheparin cofactor IIの存在に着目し、あわせて病変局所に起こる血液凝固・線溶系パラメータの変化、および病理組織所見の変化を総合的に検討し、頚動脈閉塞・高度狭窄の病態、形成機序の解明をはかることを目的とする。今年度の実績内容につき概要を報告する。 1.臨床例における血液、組織所見の検討 脳虚血発作発症急性期に脳動脈閉塞・高度狭窄病変の診断が確認された例を対象とし、全血血小板凝集能、凝固線溶系パラメータの測定、および手術、剖検例で得られたアテローム硬化性病変の病理組織学的検討を行い、以下の結果を得た。 (1)血液は治療開始前に、末梢静脈血および頚動脈病変動脈血を採取し、特に全血血小板凝集能の測定には、測定速度が早く高精度の機器として最近開発されたSSRエンジニアリング社製装置を用いた。この結果、アテローム血栓性脳梗塞の発症急性期では、血小板凝集能は従来法よりもはるかに高値を示すことが明らかとなった。急性期に摘出した病変で、高頻度に観察されるプラーク内出血や血栓形成との因果関係が注目され、データを整理分析中である。 (2)heparin cofactor IIの血中濃度および組織内分布の検討については、免疫抗体法および免疫組織染色法の方法について独自の工夫・改良を行い、データ集積中である。 (3)頚動脈動脈硬化性変化とクラミジア感染との関連について、臨床データの分析を行った。その結果・両者間に明らかな相関は認められず、従来とは異なる知見として論文報告した。 2.臨床例の結果を裏付けるための基礎的研究 急性期脳塞栓動物モデルにおいて、heparin cofactor IIおよび血液凝固線溶系の変化と梗塞病態との関連につき実験を進めている。現在のところ十分な成果を得るには至っておらず、今後とも研究を推進したい。
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Research Products
(3 results)
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[Publications] Hirashima Y, Endo S, et al.: "Cerebrospinal fluid membrane-bound tissue factor and myelin basic protein in the course of vasospasm"Neurol Res. 23. 715-720 (2001)
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[Publications] 桑山直也, 遠藤俊郎: "脳梗塞の急性期治療と2次予防"診断と治療. 89. 2023-2028 (2001)
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[Publications] 遠藤俊郎: "頚動脈狭窄の外科治療"神経研究の進歩. 45. 992-997 (2001)