2001 Fiscal Year Annual Research Report
実験的動物モデルを用いた分子生物学的アプローチによる水頭症の病態解明-高次脳機能神経系ニューロンにおける神経伝達機構の摘傷と回復-
Project/Area Number |
13671433
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Research Institution | Kyoto University |
Principal Investigator |
田代 弦 京都大学, 医学研究科, 助手 (40236518)
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Keywords | 新生児水頭症 / ラット水頭症モデル / 急性・亜急性水頭症 / アセチルコリン / ドーパミン / 神経伝達物質(neurotransmitter) / 免疫組織化学染色 / 高次脳機能障害 |
Research Abstract |
(1)新生児ラット水頭症モデル群の作成 これまで行ってきた成人ラットにおける実験と同様に、新生児(生後1週間以内、人では新生児に相当)ウイスターラット群に対し、25%カオリン水溶液0.02mlを大槽内に注入して、進行性水頭症を導入した。注入後ラットモデルは急性水頭症群と亜急性水頭症群に分かれた。前者は急激な頭囲と脳室の拡大を認めて全例4週間で死亡したのに対し、後者は緩徐な脳室の拡大を認め、ほぼ症状なく観察期間である8週目まで生きた。 (2)神経伝達物質(neurotransmitter)の合成機能 大脳基底核で主に運動機能調整や知的精神機能を司る神経系として、新生児ラット線条体アセチルコリンニューロン(AChN)と黒質ドーパミンニューロン(DAN)に着目し、進行性水頭症による両者の定量的変化を検討した。即ち、水頭症へ導入後、2、4、8週目に免疫組織化学染色を行い、両神経系ニユーロンの免疫陽性細胞数を算出して、各神経系ニューロンのneurotransmitter蛋白合成機能を解析した。水頭症の進行に伴い、急性群では2週目にしてAChNが減少し、4週目でDANも減少、死に至った。亜急性群ではAChNは8週目に減少したが、DANは変化を認めなかった。いずれの水頭症群でも、脳室の拡大と共に高次脳機能の損傷が起こり、蛋白合成が障害されていった。これが急激な場合は死に至る一方、緩徐でも確実に損傷は起こっていた。
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Research Products
(7 results)
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[Publications] R.Ishizaki, Y.Tashiro, et al.: "Acute and subacute hydrocephalus in a rat neonatal model : correlation with functional injury of neurotransmitter systems"Pediatric Neurosurgery. 33. 298-305 (2001)
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[Publications] T.Kato, Y.Tashiro, et al.: "Intracranial aneurysms in Ehlers-Danlos syndrome type IV in early childhood"Pediatric Neurology. 25. 336-339 (2001)
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[Publications] 田代 弦, 山崎麻美: "急性・亜急性新生児ラット水頭症モデルを用いた水頭症による脳機能障害病態解明"難治性水頭症調査研究班報告書. 1. 29-31 (2001)
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[Publications] 田代 弦: "新・ナースのための脳神経外科-先天奇形・水頭症-"メディカル出版, 大阪. 11 (2001)
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[Publications] 田代 弦: "小児脳神経外科の手術手技-先天性水頭症-"メジカルビュー社, 東京. 6 (2001)
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[Publications] 田代 弦: "ブレインナーシング-疾患別の術前・術後管理-"メディカル出版, 大阪. 11 (2001)
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[Publications] 田代 弦: "Clinical Neuroscience-小児神経外科の主な疾患と最新治療-"中外医学社, 東京. 4 (2002)