2001 Fiscal Year Annual Research Report
脳動脈瘤塞栓術における瘤の完全閉塞をめざしたコイルの開発
Project/Area Number |
13671450
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Research Institution | Kagoshima University |
Principal Investigator |
下鶴 哲郎 鹿児島大学, 医学部・附属病院, 講師 (20284870)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
明石 満 鹿児島大学, 工学部, 教授 (20145460)
新納 正毅 鹿児島大学, 医学部, 助教授 (30172612)
倉津 純一 鹿児島大学, 医学部, 教授 (20145296)
岸田 晶夫 国立循環器病センター研究施設, 生体工学部, 部長 (60224929)
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Keywords | aneurysm / bFGF / hydroxyapatite / embolization |
Research Abstract |
【目的】動脈瘤塞栓術の最終目標は、解剖学的な完全閉塞で、それには早期の動脈瘤頸部の被覆化、血栓の器質化が必要となる。我々はbioactiveな担体であるhydroxyapatite(HAp)を使い、bFGFをGDCに固定化し、これを実験的動脈瘤塞栓術に用いて、そのコイルが瘤の頚部の被覆化に対して効果を認めるか、2週間後の血管撮影所見と組織学的所見からstandardGDCと比較検討した。【方法】CaC12/Tris-HClとNa2HPO4溶液に交互に浸漬させて作製したGDC-HApを、human recombinant basic FGF 1μg/ml溶液に20分間浸してbFGFを固定化した(HAp-FGF-GDC)。豚の両側の頚動脈にややbroad neckのlateral wall typeの瘤を作製後、standard GDC, HAp-GDC, HAp-FGF-GDCを瘤内に各々5-6個挿入した。14日目に血管撮影を行い、瘤-母血管complexを摘出し、orificeをマクロで観察し、MMA包埋後HE染色にて病理学的検討した。【結果】14個の動脈瘤に対し、コイルを平均34.2cm留置し、脳血管撮影上、total occlusion 12, recanalization 2, parent artery occlusion 2であった。total occlusion 12個で頚部を観察すると、50%以上の被覆化が見られたのが、standard 33%, HApcoating 50%, HAp+bFGF coating 100%であった。後者の頚部にはfibroblastの増勢がみられた。【結論】HAp-bFGF-GDCは、瘤内塞栓に使用可能で、動脈瘤頸部の被覆化を促進させるdeviceとして有用である。
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