2001 Fiscal Year Annual Research Report
遅発性神経細胞死におけるCa^<2+>代謝異常の細胞生理学的研究
Project/Area Number |
13671458
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Research Institution | Jichi Medical University |
Principal Investigator |
小黒 恵司 自治医科大学, 医学部, 講師 (90231232)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
増沢 紀男 自治医科大学, 医学部, 教授 (60049038)
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Keywords | global ischemia / gap junctions / neural connexins / Cx32 knock-out |
Research Abstract |
IP33キナーゼノックアウトマウスにおける機能的変化 IP_33kinaseノックアウトマウスと野生種における、総頚動脈の10分間遮断による前脳虚血に対する海馬の遅発性神経細胞死の程度の異同を組織学的に検討したが、有意差を認めなかった。現在、遮断時間を変えて、差異を検討するとともに、中大脳動脈閉塞による局所脳虚血にたいする梗塞巣の大きさの違いについても検索中である。 脳虚血におけるgap junctionの役割 20分間両側総頚動脈遮断後の野生種C56BL/6マウスを用いて、gap junctionの脳内主要構成蛋白であるconnexin(Cx)32,36,43のmRNA/蛋白の虚血後の海馬における経時的変化をin situ hybridization & Northern blotting/Western blotting & immunohistochemistryにて検討した。その結果、Cx32,36では海馬CA1においてmRNAレベルでほとんど変わらないにもかかわらず、蛋白レベルでは虚血8〜72時間後にかけて有意に増加していることが明らかになった。このことはCx32,36の発現がtranslationalあるいはpost-translationalに調節されていることを示唆するものである。 さらに、虚血におけるgap junctionの果たす役割の一端を明らかにする為、Cx32ノックアウトマウスと野生種の10分間の両側総頚動脈遮断による前脳虚血に対する虚血感受性を比較した。 Cx32ノックアウトマウスでは海馬CA1における細胞数の減少が野生種(この虚血時間では細胞死の発現はなし)に比し有意に高く、虚血に対し、より脆弱であることが分かった。このことは、少なくともCx32が虚血に対し、保護的に作用していることを示唆するものである。 以上の結果はJ Neurosci,2001,21:7534-7542に発表した。
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Research Products
(3 results)
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[Publications] Oguro K, Jover T, Tanaka H, Ling H, Kojima T, Oguro N, et al.: "Global ischemia-induced increases in gap junctional proteins connexin32 (Cx32) and Cx36 in hippocampus and enhanced vulnerability of Cx32 knock-out mice"J Neurosci. 21. 7534-7542 (2001)
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[Publications] 小黒恵司: "クモ毒の脳卒中への応用"Bio Clinica. 16. 23-27 (2001)
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[Publications] Tanaka H, Katoh A, Oguro K, Shimazaki K, Gomi H, Itohara S, et al.: "Disturbance of hippocampal long-term potentiation after transient ischemia in GFAP deficient mice"J Neurosci Res. 67. 11-20 (2002)