2001 Fiscal Year Annual Research Report
第3世代ヘルペスウイルスベクターによる悪性脳腫瘍の遺伝子治療
Project/Area Number |
13671464
|
Research Institution | Keio University |
Principal Investigator |
池田 圭朗 慶應義塾大学, 医学部, 助手 (10222879)
|
Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
篠田 淳男 慶應義塾大学, 医学部, 助手 (60306719)
矢崎 貴仁 慶應義塾大学, 医学部, 専任講師 (80200484)
河瀬 斌 慶應義塾大学, 医学部, 教授 (40095592)
|
Keywords | 悪性脳腫瘍 / 単純ヘルペスウイルス / γ34.5 / Musashi promoter / 抗ウイルス免疫 |
Research Abstract |
悪性脳腫瘍に対しては手術・放射線・化学療法が行われているが、わずかな延命効果が得られるにすぎず、この疾患に対する遺伝子治療のうち、腫瘍内で特異的に増殖するウイルスベクターを腫瘍内に投与する腫瘍融解性のウイルス療法はもっとも効果の期待される治療法のひとつである。複製型ヘルペスベクターを用いたウイルス療法の効果を高めるために、γ34.5遺伝子が欠失している第一世代のヘルペスウイルスベクターR3616に、Musashi-promoterで発現されるγ34.5遺伝子を組み込み、現在使用されている第二世代ヘルペスウイルスベクターよりも腫瘍内増殖能が高く、なおかつ腫瘍特異性の高い第三世代ヘルペスウイルスベクターの作成を目的に研究を実施した。まず、Musashi promoterのグリオーマにおける活性を、LacZの発現を用いて解析したところ、複数の細胞株で他の腫瘍細胞株よりも有意に高い活性を示した。次に、Musashi promoter下流にγ34.5遺伝子を組み込んだプラスミドを作成し、これを用いてグリオーマにおけるγ34.5の発現を解析したところ、やはり他の細胞株に比べて有意に高い発現を確認することができた。続いて、ホモロガスリコンビネーションの方法を用いて、R3616のICP6部位にMusashi-γ34.5の転写ユニットを挿入した組換えヘルペスウイルスベクターを構築すべく、研究を継続している。今後は、この組換えウイルスを完成させ、in vivoでの治療効果を解析したいと考えている。
|
Research Products
(3 results)
-
[Publications] Ikeda K, et al: "Oncolytic virus therapy for benign meningiomas"Mol. Ther.. 3(5). S351 (2001)
-
[Publications] Yazaki T, et al.: "Improved, replication conditional viral therapy for malignant tumors"Mol. Ther.. 3(5). S103 (2001)
-
[Publications] 池田圭朗 他: "ヘルペスウイルスベクター血管内投与と免疫抑制剤よる多発性脳腫瘍モデルの治療"神経免疫研究. 13. 125-129 (2001)