2001 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
13671466
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Research Institution | Juntendo University |
Principal Investigator |
新井 一 順天堂大学, 医学部, 助教授 (70167229)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
宮嶋 雅一 順天堂大学, 医学部, 講師 (60200177)
屋田 修 順天堂大学, 医学部, 講師 (30265996)
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Keywords | 神経細胞 / 羊膜細胞 / 脳虚血 / 移植 / 神経幹細胞 |
Research Abstract |
目的:羊膜細胞が神経細胞および神経幹細胞として機能する可能性を検討するとともに、本細胞の虚血脳への移植実験を行った。 方法:(1)羊膜細胞の初代培養:羊膜細胞はE17 Wistar ratから採取しNeurobasal Medium/B27(GIBCO)にて培養した。(2)培養羊膜細胞の細胞特性の解析:(1)の形態を詳細に観察するとともに、これらの細胞を抗neurofilament、抗MAP2および抗nestin抗体による免疫組織学的検討に供した。またRT-PCR法により、本細胞におけるnestin mRNAの発現を解析した。(3)脳虚血モデル動物の作成:12週齢の雄性砂ネズミの両側総頚動脈を5分間閉塞後に血流を再開、海馬CA1細胞に選択的神経細胞死を惹起せしめた。モデル動物は作成1週間後(4)の実験に供した。(4)羊膜細胞の脳内移植実験:(1)をモデル動物の海馬に定位的に移植した。対照はsham手術群とした。移植5週後に動物を屠殺、脳標本を作成し組織学的に検討した。 結果:培養羊膜細胞は神経細胞類似の形態を呈し、neurofilament、MAP2およびnestinなどの神経・神経幹細胞マーカーに対する免疫染色は陽性、さらにnestin mRNAが発現していることも確認できた。移植5週後、対照群では羊膜細胞は海馬に一塊の細胞群として生着したが、虚血脳では移植細胞は散在する傾向を示した。さらに一部の細胞は錐体細胞の脱落したCA1細胞層に移動し、MAP2陽性の神経細胞様の形態に変化した。 結論:羊膜細胞のなかには、神経および神経幹細胞類似の細胞が存在した。 また、本細胞を虚血脳に移植すると、その一部は生着時間の経過とともに神経細胞類似の細胞に変化した。本研究により、羊膜細胞をドナーとする脳内細胞移植が脳虚血性疾患の新しい治療手段の一つとなる可能性が示唆された。
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Research Products
(1 results)