2001 Fiscal Year Annual Research Report
下垂体前葉組織の老化および腫瘍化に伴うミトコンドリアの変化に関する研究
Project/Area Number |
13671470
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Research Institution | Tokyo Medical University |
Principal Investigator |
西岡 宏 東京医科大学, 医学部, 講師 (60218120)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
佐野 哲郎 東京医科大学, 医学部, 助手 (20322464)
原岡 襄 東京医科大学, 医学部, 教授 (40090641)
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Keywords | 下垂体 / 下垂体腺腫 / ミトコンドリア / 放射線照射 |
Research Abstract |
各年齢層の正常下垂体前葉組織と非機能性(ホルモン非産生)下垂体腺腫(オンコサイトーマおよびナルセル腺腫)・機能性(ホルモン産生)腺腫を対象とし、前葉細胞の加齢や腫瘍(腺腫)化および前葉・腺腫細胞の放射線照射に伴うミトコンドリアの変化、特に酸化還元系酵素(チトクロームCオキシダーゼ)や活性酸素種の分解系酵素(CuZnMnSOD)活性を検討した。前葉細胞では基礎状態においては少なくとも加齢による酵素活性の低下は認められなかったが、ミトコンドリア代謝障害を来しているオンコサイトは若年者に比し有意に増加していた。腺腫細胞の酵素活性は概ね正常の前葉細胞に比し低下していたが、特に非機能性腺腫では機能性腺腫より有意に低下していた。一方、放射線照射により前葉組織の線維化、星状ろ胞細胞の増加、扁平上皮化生に加えて前葉細胞のミトコンドリア代謝異常(上記酵素活性の亢進などオンコサイトと類似の病態だが、細胞の大きさは変わらず)が認められ、内分泌活性の低下に関与しているものと考えられた。腺腫細胞の放射線照射による影響も前葉細胞と基本的に同様であったが、より軽度であった。以上の結果から下垂体前葉細胞が腫瘍化、放射線照射などにより内分泌活性低下を来した場合、種々の程度のミトコンドリア代謝障害を来していることが推測された。特にオンコサイトにみられるミトコンドリア代謝障害(酵素活性の見かけ上の亢進とミトコンドリア数の代償性増加)は加齢、腫瘍化、放射線照射後などに共通して認められた。
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Research Products
(2 results)
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[Publications] 西岡 宏: "Histological changes in the hypofunctional pituitary gland following conventional radiotherapy for adenoma"Histopathology. 38. 561-566 (2001)
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[Publications] 西岡 宏: "Histological changes in the pituitary gland and adenomas following radiotherapy"Neuropathology. (2002)