2001 Fiscal Year Annual Research Report
ヒアルロン酸合成酵素遺伝子導入を併用した新たな培養自家軟骨細胞移植の研究
Project/Area Number |
13671491
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Research Institution | Chiba University |
Principal Investigator |
和田 佑一 千葉大学, 医学部・附属病院, 助手 (10282485)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
高瀬 完 千葉大学, 大学院・医学研究院, 助手 (40333489)
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Keywords | ヒアルロン酸合成酵素 / 遺伝子導入 / 軟骨細胞移植 |
Research Abstract |
1 ヒアルロン酸合成酵素遺伝子 (HAS) の培養細胞への遺伝子導入 軟骨を構成する主要なマトリックス成分であるヒアルロン酸を、安定的かつ直接細胞に作用させるために、ヒアルロン酸合成酵素 HAS2 の遺伝子導入を行った。軟骨細胞の分化モデル細胞株である ATDC5 に対して、リポフェクション及びレトロウイルスベクターを用いて HAS2 遺伝子を導入した。その結果、いずれの方法においても HAS2 遺伝子は高率に導入され、非導入群に比べヒアルロン酸結合蛋白による細胞周囲の染色性は著しく増大した。これにより、HAS2 遺伝子導入によりヒアルロン酸の合成は大幅に促進されることが確認された。 2 遺伝子銃を用いた移植骨膜への遺伝子導入 ひき続き、遺伝子銃を用いて局所に限局した導入を目的にウサギ軟骨欠損モデルの移植骨膜にマーカー遺伝子である LacZ 遺伝子導入を行い、その安全性と導入効率及び導入期間を検討した。組織障害の評価は、Wakitaniらの組織評価スケールに従い行い、導入効率は移植骨膜中央部の3000μm^2の範囲における全細胞中の LacZ 陽性細胞数の比を求めた。移植後2週では、境界は不連続で、トルイジンブルー染色ではメタクロマジーを呈さず、軟骨への分化は認められなかったものの、4週では移植骨膜組織と軟骨組織は連続し、トルイジンブルー染色ではメタクロマジーを呈し、軟骨への分化が認められた。また、修復軟骨の組織評価を行ったところ、2週時、4週時とも両群間に差は認められなかった。このことにより、遺伝子導入に伴う組織傷害はないものと考えられた。また、遺伝子銃による LacZ 遺伝子の導入効率は、2週時12.9%、4週時8.8%であり、少なくとも4週まで遺伝子発現が継続することが確認された。現在、ウサギ軟骨欠損モデルに対して、遺伝子銃を用いて HAS2 遺伝子を導入しその導入効果を検討している。
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