2004 Fiscal Year Annual Research Report
骨粗鬆症治療薬が関節軟骨変性と脊柱管のリモデリングにおよぼす影響
Project/Area Number |
13671510
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Research Institution | National University Corporation Tottori University |
Principal Investigator |
岡野 徹 国立大学法人鳥取大学, 医学部, 講師 (60252871)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
萩野 浩 国立大学法人鳥取大学, 医学部附属病院, 助教授 (80208412)
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Keywords | 骨粗鬆症 / 変形性関節症 |
Research Abstract |
【目的】変形性関節症(OA)の発症と進展に関わる軟骨下骨の役割は未だ不明である.OA自然発症モデルであるHartley系guinea pigの関節軟骨変性に伴う軟骨下骨構造と骨代謝回転の変化について,OAを発症しないWeiser-Maple(WM)系を対照として検討した.【方法】両系の2,3,5,8か月齢の雌性guinea pig(各月齢n=7)を用いた.脛骨近位内側顆を観察対象として,軟骨変性は組織学的(HE, Safranin O染色)に,軟骨下骨の構造は軟骨下骨終板幅(SBPT)と軟骨下海綿骨骨梁パラメーターで評価した.SBPTは骨軟骨接合部から骨髄腔までの距離を組織学的に計測し,骨梁パラメーターはMicro-CTによる軟骨下海綿骨の3次元再構築像から骨量(BV/TV),骨梁数(Tb.N),骨梁幅(Tb.Th),骨梁間隙(Tb.Sp)を求めた.【結果】関節軟骨:両系とも2か月齢では関節軟骨に変性は見られなかった.Hartley系では3か月齢から表層軟骨細胞の減少が始まり,5か月齢では表層のfibrillationを生じていた.8か月齢になるとfibrillationはradial zoneに及び,基質のSafranin O染色性は低下していた.WM系では8か月齢に至っても軟骨変性は見られなかった.軟骨下骨:2か月齢のHartley系では同月齢のWM系と比較して,SBPT, BV/TV, Tb.Thは有意な低値を,Tb.Spは有意な高値を示した(P<0.05).両系とも月齢に伴ってSBPT, BV/TV, Tb.N, Tb.Thは増加し,Tb.Spは減少していたが,5か月齢ではWM系に比べてHartley系のSBPT, BV/TV, Tb.Nは有意な高値を,Tb.Spは有意な低値を示した(P<0.05).【結論】OAの発症と進展には軟骨下骨構造と骨代謝回転が関与することが示唆された.
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