2002 Fiscal Year Annual Research Report
四肢、骨、関節、神経等 運動器同種移植の免疫寛容導入に関する実験的研究
Project/Area Number |
13671514
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Research Institution | Yamaguchi University |
Principal Investigator |
村松 慶一 山口大学, 医学部附属病院, 助手 (10322249)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
重富 充則 山口大学, 医学部附属病院, 助手 (30284251)
河合 伸也 山口大学, 医学部, 教授 (70034965)
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Keywords | 四肢移植 / 免疫寛容 / キメリズム / H-Y抗原 / PCR / ラット / 運動器 |
Research Abstract |
平成13年7月からラットを用いた移植手術を開始し、平成14年度も継続した。実験動物として、DA rat<MHC expression、RT1a)とLewis rat(RT11>を用いた。実験モデルは、平成13年と同じ性別の異なる間で右後肢移植を行った。 平成13年度では、移植四肢の機能評価とH-Y抗原特有の拒絶反応に主眼を置き、新しい知見を得た。平成14年では、当初の計画どおりY染色体を特有に増幅、検出するPCR法を用いて四肢移植後のドナー細胞とレシピエント細胞の移動現象を詳細に検討した。この現象はキメリズムと呼ばれ、臓器移植では免疫寛容の導入のキーポイントを考えられてきたが四肢移植ではこれまで報告なく全く未知の領域であった。 今回の結果では、ドナー細胞は移植後1年にわたりグラフト内に残存するのみではなくレシピエント体内のリンパ器官に移動し、骨にも幹細胞を供給していた。また、レシピエント細胞もグラフト内に移動し、骨、皮膚筋肉の再構築を促し、移植四肢はドナー由来とレシピエント由来の細胞が混在していた。骨は異所性起源の未分化間葉系細胞から細君包供給を受け常にRemodelingしている特異的組織であるので、移植骨成分はレシピエント細胞によって置換されることは理解できる。しかし、皮膚や筋は自己内に組織幹細胞を有し自己再生可能な組織として考えられてきたため、移植されても容易にレシピエント細胞が移動するとは考えにくい。平成14年の結果から虚血や脱神経にさらされた四肢移植の場合、皮膚や筋組織はレシピエントから新しい幹細胞の供給を受け組織再生を促す可能性が明らかとなった。
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Research Products
(4 results)
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[Publications] Muramastu k.: "Fate of donor cells in vascularized bone grafts: Identification of systemic chimerism by PCR"Plastic and Reconstructive Surgery. 111(2). 763-772 (2003)
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[Publications] Muramatsu K.: "Microchimensur following vasuelarized bone allog"Transplantation proceeding. 34(7). 2722-2724 (2002)
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[Publications] Muramatsu K.: "Cell repopulation in vascularized bone grafts"Journal of orthopedic research. 20(4). 772-778 (2002)
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[Publications] Muramatsu K.: "Behavior of male-specific antigen in limb transplaut"Journal of surgical research. (Caccepted). (2003)