2002 Fiscal Year Annual Research Report
筋電制御電動肘装具の開発研究-脊髄、神経根、腕神経叢麻痺による肘関節自動屈曲不能に対して-
Project/Area Number |
13671517
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Research Institution | Kochi Medical School |
Principal Investigator |
谷 俊一 高知医科大学, 医学部, 教授 (90136250)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
横川 明 高知工科大学, 工学部, 教授 (60299394)
石田 健司 高知医科大学, 医学部附属病院, 助教授 (10274367)
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Keywords | 上肢帯麻痺 / 肘関節 / 筋電制御 / 電動装具 / リハビリテーション |
Research Abstract |
前年度に試作した筋電制御電動肘装具において最も大きな課題は、モーターを駆動させるトリガーとしての筋電信号を外来ノイズと分別して計測することである。患者の小さな筋電信号を安定して計測することを目指して筋電アンプ回路の実験機を試作した。従来の回路に対する変更点は:(1)センサーと初段アンプ部分を極力近づけ、配線の移動が起きないプリント基板に変した(2)使用するセンサーをケーブルタイプからいわゆるディスポ電極に変更した(3)2種類のフィルター(60Hzノッチリジェクトと1kHz以上の信号カット)を追加した。改良した筋電アンプを用いて筋電制御電動肘装具を作動させると以下のことが明らかとなった:(1)安定状態では増幅率2000倍でも筋電信号の計測は可能(2)しかし時に60Hzの外来ノイズが混入し、このノイズレベルは人体が触れる物によって異なる(3)モーター由来のノイズも混入するが、このノイズは制御回路の電源をモータ電源、と分離することにより問題のないノイズレベルになり、DCモーターからブラシレスモーターや超音波モーターに交換すればさらに小さくなる(4)周囲の電源ラインの変動をノイズとして拾うため、消費電力が大きな機械の電源、ON/OFFの瞬間にパルス状ノイズが混入するが実用状は問題とならない。従って、60Hzの外来ノイズ対策が最も重要で、このノイズために実験でも支障を来すケースがあった。現時点ではその対策として次ぎの2通りを考えている:(1)周波数成分によりノイズを分離する(2)特定周波数領域のみ削除する。以上のような課題が残っているが、筋電制御電動肘装具としての基本機能はほぼ実現された。
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