2002 Fiscal Year Annual Research Report
椎間板変性過程における髄核細胞のアポトーシスと細胞内シグナル伝達活性化機序
Project/Area Number |
13671523
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Research Institution | Kagoshima University |
Principal Investigator |
松永 俊二 鹿児島大学, 医学部附属病院, 講師 (90229500)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
小宮 節郎 鹿児島大学, 医学部, 教授 (30178371)
鈴木 秀作 鹿児島大学, 生命科学資源開発研究センター, 助教授 (70041663)
米 和徳 鹿児島大学, 医学部, 助教授 (40182844)
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Keywords | 椎間板 / 変性 / TGF-β / 老化促進マウス / サイトカイン / アポトーシス / 細胞内情報伝達 / 分子生物学 |
Research Abstract |
老化にともなう椎間板変性過程において椎間板髄核の如何なる細胞生物学的変化が老化を規定しているかは不明である。我々はこれまで椎間板の変性に伴う髄核細胞のTGF-βやBMPの発現の変化を免疫組織学的に観察してきた。このTGF-βの発現の変化は細胞のアポトーシスに関連した所見である可能性がある。そこで本研究ではアポトーシスの観点から老化の機序を分子生物学的に解明することを目的として研究を行った。実験は老化の過程を短期間に観察できる実用的な動物実験モデルとして老化促進マウス(senescence-accelerated mouse ; SAM-P/6)を使用した。前年度は生後週令4週、8週、12週、16週、20週、24週、28週、32週、50週の雄の老化促進マウスの頚椎椎椎間板を摘出し、頚椎椎間板髄核細胞のTGF-β1,β2,β3とその受容体の発現を免疫組織学的観察に観察した。その結果髄核細胞におけるTGF-β1,β2,β3とその受容体の発現は週令が進むにつれて減弱し、50週ではほとんど発現が認められなくなり髄核細胞の数も減少した。そこで本年度はこの髄核細胞の減少がアポトーシスによることを証明する目的で実験を行った。髄核細胞は老化促進マウス生後32週からすでにTUNEL法による染色で陽性となりcaspase活性もみられアポトーシスが生じていることが示唆された。また電子顕微鏡的にみた核の形態学的変化においてもアポトーシスに一致した所見が確認できた。このアポトーシスの所見は生後50週では更に著明らとなった。最終年度である次年度は当初の予定に沿って椎間板の変性過程におけるアポトーシスの細胞内シグナル伝達経路解明に関する研究を行う予定である。これにより運動器の老化の分子生物学的機序解明につなげたいと考えている。
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Research Products
(2 results)
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[Publications] Shunji Matsunaga: "Age-related changes in expression of transforming growth factor-β and receptors in cells of intervertebral discs"J Neurosurg. 98. 63-67 (2003)
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[Publications] 松永俊二: "SAM椎間板細胞におけるTGF-βおよび受容体の発現と変化"第17回老化促進マウス(SAM)研究協議会抄録集. 23 (2001)