2001 Fiscal Year Annual Research Report
ラット骨肉腫および悪性線維性組織球腫細胞における分子病理学的研究
Project/Area Number |
13671534
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Research Institution | Nara Medical University |
Principal Investigator |
三井 宜夫 奈良県立医科大学, 医学部, 教授 (70145845)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
朴木 寛弥 奈良県立医科大学, 医学部, 助手 (40336863)
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Keywords | 骨肉腫 / 悪性線維性組織球腫 / TGF-β / interleukins / FHIT / tyrosine kinase inhibitor |
Research Abstract |
1)ラット骨肉腫細胞COS1NRおよび悪性線維性組織球腫細胞MFH1NRにDsRed-2蛍光ベクターを遺伝子導入し、蛍光ラット骨肉腫および悪性線維性組織球腫細胞を作成した。現在、G418 selectionにより細胞株樹立中である。 2)Multi-probe RNase protection assayによりラット骨肉腫細胞および悪性線維性組織球腫細胞におけるcytokine expressionについて検索した。骨肉腫細胞においてはTGF-β1およびTGF-β2、IL-6、MIF(macrophage invasion inhibitory factor)の発現を、悪性線維性組織球腫細胞においてはTGF-β1の強発現とMIFの発現を認めた。 3)可移植性ラット骨肉腫および悪性線維性組織球腫の皮下腫瘍と肺転移巣におけるFHIT遺伝子の変異について検索した。RT-PCRでは、高転移系自然発生骨肉腫、低転移系および高転移系4-HAQO誘発骨肉腫において、aberrant transcriptが見いだされた。aberrant transcriptのpatternは、一定の傾向を示さず、転移能等との相関も見いだせ得なかった。また、Wastern blottingでは低転移系自然発生骨肉腫を除く低転移系および高転移系4-HAQO誘発骨肉腫と悪性線維性組織球腫においてFhit protein量の減少が見られた。 4)ラット骨肉腫細胞COS1NRおよび悪性線維性組織球腫細胞MFH1NRに対するtyrosine kinase inhibitorであるST1571の増殖抑制効果について検索した。COS1NR細胞に対しては増殖抑制効果を認めなかったのに対し、MFH1NR細胞に対しては、10μMの濃度で48hで対照群の75%に、72hで69%に細胞増殖を抑制した。これら細胞におけるPDGFR、c-kitの発現を検索したところ、c-kitの発現はいずれにおいても見られず、PDGFRαの発現量に相違を認め、MFH1NR細胞で強い発現を認めた。現在、その増殖抑制メカニズムについて検索中である。
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Research Products
(1 results)
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[Publications] Honoki, K., Mii, Y., et al.: "Differential expression of cytokines in rat osteosarcoma and malignant fibrous histiocytoma cell lines induced by 4-(hvdroxyamino) quinoline 1-oxide"Molecular Carcinogenesis. 33. 81-87 (2002)