2002 Fiscal Year Annual Research Report
オピオイドの呼吸抑制作用における延髄呼吸リズム形式中枢ニューロンの役割
Project/Area Number |
13671557
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Research Institution | HOKKAIDO UNIVERSITY |
Principal Investigator |
瀧田 恒一 北海道大学, 医学部附属病院, 助手 (80261311)
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Keywords | 新生ラット脳幹脊髄標本 / 延髄呼吸中枢 / ブラインドパッチクランプ法 / 免疫組織化学 / Mu-オピオイド受容体 |
Research Abstract |
平成14年度は、(1)延髄呼吸関連ニューロンよりの細胞内電位記録法の確立と(2)延髄呼吸関連ニューロンにおけるMu-オピオイド受容体は存在の有無について検討した。 (1)延髄呼吸関連ニューロンよりの細胞内電位記録法の確立 3日齢のラットより新生ラット延髄脊髄標本を作成した。水温27.5度,pH7.4に保った潅流槽内に標本を固定し,呼吸活動をC4より吸引電極により記録した。その後、ブラインドパッチ法による延髄呼吸関連ニューロンからの細胞内電位記録を試みた。先端1μm(抵抗5MΩ)の微小ガラス電極を20mmHgの陽圧をかけながら、呼吸リズム形成部位と推定されているPre-Botzinger complex付近に刺入しサウンドモニターにより呼吸関連ニューロンを探した。目的のニューロンが見つかったら100mmHg程度の陰圧をかけギガオームシールを達成し細胞内電位を記録に成功し、延髄呼吸関連ニューロンより細胞内電位記録法を確立した。 (2)延髄呼吸関連ニューロンにおけるMu-オピオイド受容体は存在の有無 上記細胞内電位記録においてニューロビオチンを含む電極液を使用し、延髄呼吸関連ニューロンを標識した(標本固定後ABC法により可視化した)。その後、Mu-オピオイド受容体抗体を用い免疫組織化学による二重染色を行った。 その結果、Mu-オピオイド受容体密度は、疑核に特に高かったが、呼吸関連ニューロンは、この部位とは一致しなかった(呼吸関連ニューロンは、疑核のMu-オピオイド受容体密度の高い部位の尾腹側に存在した)。また、標識された呼吸関連ニューロンには、Mu-オピオイド受容体を証明することができなかった。
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