2001 Fiscal Year Annual Research Report
高気圧酸素療法の虚血後神経細胞保護効果における神経成長因子の役割を解明する
Project/Area Number |
13671561
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Research Institution | Tohoku University |
Principal Investigator |
堀之内 節 東北大学, 医学部・附属病院, 講師 (00229238)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
佐藤 港 東北大学, 医学部・附属病院, 助手 (80333798)
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Keywords | 一過性脊髄虚血 / 遅発性神経細胞死 / 高気圧酸素療法 / GDNF / 神経栄養因子 |
Research Abstract |
神経栄養因子の一つであるtransforming growth factor(TGF)のスーパーファミリーに属するglia cell line-derived neurotrophic factor(GDNF)はグリア細胞由来の成長因子で中脳のドパミン神経細胞の生存と分化を促進する物質として注目されている。またGDNFは神経細胞損傷後の再生を促進するとの報告もあり、中枢神経系の虚血再潅流障害を軽減する可能性が示唆されている。現在までラットの一過性中大脳動脈閉塞モデルにおいて、GDNFの局所投与により脳浮腫が有意に軽減され同時に遅発性細胞死を抑制したとの報告がなされている。このような実験結果を背景として、一過性脊髄虚血において運動ニューロンでのGDNFの発現が神経細胞のdelayed deathにどのような影響をおよぼすか、また高気圧酸素による治療効果がGDNFの発現にどのように影響をあたえるのか組織学的に検討することにある。平成13年度はコントロール(非治療群)でモノクローナル抗体を用いてGDNF発現の時系列検討(再潅流後8・24時間・2・7日後)を行なったところ、虚血再潅流後8時間の時点で免疫組織染色にて強陽性の所見が得られ、その他の時間では陰性であった。また同時にGDNFに対する受容体と考えられるc-ret porto-oncogene receptor(RET)も虚血再潅流後8時間の時点で免疫組織染色にて強陽性の所見が得られた。本年は高気圧酸素施行群でGDNFの発現様式を検討し、本療法の細胞保護効果につき検討する予定である。
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