2002 Fiscal Year Annual Research Report
麻酔関連薬剤の神経細胞アポトーシスに及ぼす影響の解析(特に細胞内カルシウム濃度上昇により活性化される酵素群の変動について)
Project/Area Number |
13671562
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Research Institution | Gunma University |
Principal Investigator |
斉藤 繁 群馬大学, 医学部, 助教授 (40251110)
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Keywords | 神経成長円錐 / 成長円錐崩壊 / 神経栄養因子 / 細胞内カルシウム / 局所麻酔薬 |
Research Abstract |
昨年までの研究で、高濃度の局所麻酔薬が発生過程の神経細胞、特にその成長円錐部や神経突起部に強い障害を与え、一定時間の後には不可逆的な結果をもたらすことが証明できた。この効果は局所麻酔薬間で差があり、臨床分野で多用されるリドカインやテトラカインに比較的強力な作用が認められた。今年度の研究では可逆的状態と不可逆的状態を区分する決定因子を同定することに主眼をおいて実験を進めた。末梢神経細胞の細胞膜表面に受容体が発現している神経栄養因子として、NGF, GDNF, BDNF, NT-3の神経細胞に対する作用を、リドカインおよびテトラカイン暴露後の培養組織を用いて検討した。また、各栄養因子については、培養細胞に対する至適濃度が存在するといわれているので、栄養因子の濃度を変化させることにより、作用の程度を比較した。その結果、NGFを除く、3因子に関して、局所麻酔薬暴露後の背側神経核ニューロン成長円錐再生促進作用が認められた。この作用は濃度依存的であったが、この3因子に関しては、因子間の差異はほとんど認められなかった。 一方、神経成長円錐崩壊に細胞内カルシウム濃度の上昇が引き金になるといわれているので、局所麻酔薬暴露後の神経成長円錐崩壊においても、細胞内カルシウム濃度の上昇が見られるかどうかを、細胞内カルシウム濃度測定用の蛍光色素Furaム2を用いて、測定した。その結果、局所麻酔薬暴露により、成長円錐部のカルシウム濃度が上昇することが観察された。成長円錐部での変化は、神経軸索における変化に先立つものであることも示唆された。今後、この細胞内カルシウム濃度の変動を更に詳しく解析し、カルシウムチャネルブロッカーが成長円錐崩壊の抑制に効果的であるかどうか検討する予定である
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Research Products
(2 results)
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[Publications] Inas AM Radwan, Shigeru Saito, Fumio Goto: "The neurotoxicity of local anesthetics on growing neurons : a comparative study of lidocaine, bupivacaine, mepivacaine, and ropivacaine"Anesth Analg. 94巻・2号. 319-324 (2002)
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[Publications] Radwan IA, Saito S, Goto F.: "Growth cone collapsing effect of lidocaine on DRG neurons is partially reversed by several neurotrophic factors"Anesthesiology. 97巻・3号. 630-635 (2002)