2003 Fiscal Year Annual Research Report
特発性肺胞蛋白症の病勢、及び治療効果を判定・予測する臨床的手法の開発
Project/Area Number |
13671565
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Research Institution | Yokohama City University |
Principal Investigator |
山田 芳嗣 横浜市立大学, 大学院・医学研究科, 教授 (30166748)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
倉橋 清泰 横浜市立大学, 医学部, 講師 (50234539)
中田 光 国立国際医療センター研究所, 呼吸器疾患研究部, 室長 (80207802)
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Keywords | 特発性肺胞蛋白症(iPAP) / 抗GM-CSF自己抗体 / 性状解析 / 中和活性 / エピトープ / 皮下注療法 / 吸入療法 / 自己抗体価 |
Research Abstract |
承諾を得て採取した特発性肺胞蛋白症(iPAP)の血清107例、気管支肺胞洗浄液(BALF)34例のサンプル中の抗GM-CSF自己抗体をsandwich ELISA法で定量した。その結果、患者血清中およびBALF中自己抗体濃度は高濃度で検出された。一方健常者、および他の肺疾患患者の血清、BALFからは検出限界未満であったことから、非常に疾患特異性の高いパラメータであることがわかった。 iPAP患者11名の血清より精製した自己抗体を用いて、その性状解析を行った。中和活性は、市販の抗体の10.500倍以上強いことがわかった。また125I-GM-CSFとの結合実験を行った結果、自己抗体は一様に強い結合力をもつことがわかった。また自己抗体の結合特異性は非常に高くGM-CSF分子の立体構造を認識する抗体であることがわかった。エピトープ特異的抗GM-CSFマウス抗体を用いた競合的結合阻害実験を行い、自己抗体のエピトープを推定した結果、自己抗体はGM-CSF分子の78-94アミノ酸残基付近を認識するマウス抗体と特に強く拮抗阻害効果を見せた。その部分が中和活性を発揮するうえで重要なポイントである可能性が考えられた。これら結果から、抗GM-CSF自己抗体は、肺内のGM-CSF活性を中和枯渇するのに十分の性状をもつものであることがわかった。GM-CSF皮下注療法あるいは吸入療法を施行した患者のうち臨床症状の改善をみた患者の血清中自己抗体は有意な抗体価の低下を見せなかった。病勢と血清の自己抗体価に有意な相関は認められなかった。また患者血清中自己抗体の中和活性や、GM-CSFの認識パターンも疾患重症度と相関しなかった。しかし、BALF中の自己抗体価は、GM-CSF皮下注療法、吸入療法に伴って症状の改善を見た症例では著明に低下した。また症状の緩解をみた症例では、血中CEA、KL6が低下傾向を見せた。
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Research Products
(6 results)
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[Publications] Uchida K: "High affinity autoantibodies specifically eliminate granulocyte-macrophage colony-stimulating factor activity in the lungs of patients with idiopathic pulmonary alveolar proteinosis"Blood. 103. 1089-1098 (2004)
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[Publications] 山田芳嗣: "ARDSの呼吸療法"Lisa別冊. 10. 94-101 (2003)
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[Publications] 山田宏: "ARDSモデル作成法"Surgery Frontier. 10(3). 295-299 (2003)
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[Publications] Miyashita T: "Spectral analyses of electroencephalography and heart rate variability during sleep in normal subjects. Autonomic Neuroscience"Basic and Clinical. 103. 114-120 (2003)
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[Publications] Ogawa K: "Neural mechanism of propofol anesthesia in severe depression : A positron emission tomographic study"Anesthesiology. 98. 1101-1111 (2003)
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[Publications] Ishikawa Y: "A new technique for pulmonary arterial catheter insertion into coronary sinus using thransesophageal echocardiography"Anesth Analg. 97. 291-304 (2003)