2001 Fiscal Year Annual Research Report
ストレス蛋白質誘導による心筋保護作用に及ぼす麻酔薬の影響
Project/Area Number |
13671587
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Research Institution | The University of Tokushima |
Principal Investigator |
北畑 洋 徳島大学, 医学部, 助教授 (60161486)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
川人 伸次 徳島大学, 医学部・附属病院, 助手 (60284296)
大下 修造 徳島大学, 医学部, 教授 (60144945)
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Keywords | ストレス蛋白質 / 先行虚血 / 心筋組織性状 / 後方散乱エコー / 心筋保護作用 / geranylgeranylacetone / 心筋梗塞 |
Research Abstract |
テブレノン(geranylgeranylacetone : GGA)前投与がストレス蛋白質を誘導し,先行虚血(ischemic preconditioning : IP)と同様に虚血再灌流後の心筋保護作用を示すかどうか,日本白色種ウサギを用いた虚血心モデルで検討した。GGA群は前処置として実験12時間前および開始直後にGGAをそれぞれ1mg/kg静脈内投与した。IP群は左冠動脈回旋枝の鈍縁枝の"5分間閉塞・15分間再灌流"を2サイクル行った。以下のポイントにおいて一般血行動態測定と同時に心臓の表面から超音波エコープローブを用いて乳頭筋レベルの左室短軸像を描出し,後方散乱エコーを記録した。(1)左冠動脈鈍縁枝閉塞60分前(Baseline),(2)閉塞直前,(3)閉塞30分後,(4)再灌流60分後,(5)120分後,(6)180分後。実験終了後Evans blue注入により心筋梗塞危険領域を同定し,続いて心臓を摘出し1% triphenyltetrazolium chlorideで染色して心筋梗塞範囲を同定した。心筋梗塞範囲,梗塞危険領域および全左室断面積をそれぞれ計測し,各容積および梗塞/梗塞危険領域比等を算出した。光磁気ディスク上の画像データから左室前側壁に関心領域を設定し,後方散乱エコーの心周期変動から心筋組織性状を解析した。各数値は平均値±標準偏差で示した。統計学的検討は分散分析およびSheffe's testにて行い,P<0.05をもって有意とした。 梗塞/梗塞危険領域比はコントロール群(n=7)59.2±18.3%, IP群(n=8)31.3±9.1%, GGA群(n=6)36.6±17.9%とコントロール群に比較してIP群およびGGA群において有意に低かった。後方散乱エコーの心周期変動は冠動脈閉塞後に各群で有意に低下したが,群間には有意差を認めなかった。 GGA前投与は先行虚血と同様に心筋保護作用を生じることが示唆された。
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Research Products
(1 results)