2002 Fiscal Year Annual Research Report
炎症機構と侵害伝達におけるオピオイドとサブスタンスP活性の解析に関する研究
Project/Area Number |
13671615
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Research Institution | Juntendo University |
Principal Investigator |
西村 欣也 順天堂大学, 医学部, 助教授 (80164581)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
蕨 謙吾 順天堂大学, 医学部, 助手 (30311989)
釘宮 豊城 順天堂大学, 医学部, 教授 (90010537)
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Keywords | オピオイド / サブスタンスP / サブスタンスPレセプター / GRK2 / GRK5 |
Research Abstract |
臨床の場で広く用いられているモルヒネだが,どのような機序で運動制止,意識混濁や耐性を来すかについては不明な点が多い。このモルヒネによる意識混濁の機序を解明するため線条体にあるコリナージックニューロンに注目し,まずは学習,記憶に強く関連するシナプス可塑性の検討を行った。以前,テタヌス後のLTP(long-term potentiation)の発生をpatch clampにより観察した。結果,EPSPにおけるLTP発現にはCaイオンとドパーミン5(D5)のもとで起こり,さらにIPSPに対してもLTPが見られてた。このようにコリナージックニューロンが学習,記憶に強く関与していることが示唆された。また,モルヒネはオピオイド受容体のアゴニストし疼痛制御の重要な位置を占めている。このオピオイド受容体はGタンパク質と共役するG-protein coupled receptor(GPCR)ファミリーの一員である。一般にGPCRへの刺激が続くと受容体自身を保護するために時間経過に伴って反応性の低下(desensitization)が起きる。Gタンパク質と共役するGPCR(G-protein coupled receptor)ではセリン/スレオニン残基がGRK(G protein coupled receptor kinase)によりリン酸化され,受容体の脱感作が起こるとされている。今回我々は疼痛制御の中心的受容体のひとつであるサブスタンスPレセプターを用いて,受容体リン酸化におけるGRK5の影響を観察した。その結果,Sf9 cell上に発現させたヒトサブスタンスPレセプターではGRK2同様にアゴニスト刺激と伴にGRK5によりリン酸化されることを明らかに出来た。 モルヒネの慢性投与ではいわゆる耐性が生じ刺激の応答性が失われるが,疼痛制御機構に対するGRKの関与およびその重要性が示唆された。
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[Publications] Warabi k.: "Human substance P receptor undergoes agonist-dependent phosphorylation by G protein-coupled receptor kinase 5 in vitro"FEBS Letters. 521. 140-144 (2002)
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[Publications] Nishimura K., 他: "Spinorphin as an Endogenous Inhibitor of Enkephalin"Current protein and Science Peptide. 3. 587-599 (2002)
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[Publications] 西村欣也, 他: "細胞内情報伝達-レセプターから核まで-"臨床麻酔. 26. 1233-1243 (2002)
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[Publications] 西村欣也, 他: "オピオイド受容体とGタンパク質-その薬理と臨床-"臨床麻酔. 26. 1785-1796 (2002)
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[Publications] 西村欣也: "安全な周術期管理を求めて"Clinical Engineering. 13. 985-992 (2002)