2002 Fiscal Year Annual Research Report
全身麻酔薬の中枢神経シナプス・イオンチャンネルレベルへの作用 -電気生理学的考察から臨床使用への展望-
Project/Area Number |
13671618
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Research Institution | Nippon Medical School |
Principal Investigator |
北村 晶 日本医科大学, 医学部, 講師 (30291719)
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Keywords | シナプス伝達 / パッチクランプ / シングルチャネルレコーディング / ハロセン / プロポフォール / GABA |
Research Abstract |
全身麻酔薬の作用機序の探索を目的として、Synaptic Networkが構築されたラット皮質ニューロンの初代培養標本から、パッチクランプ法をもちいて自発性抑制性および興奮性シナプス後電流(miniature IPSCおよびEPSC)を記録し、吸入麻酔薬ハロタンと静脈麻酔薬プロポフォールの興奮性および抑制性シナプス伝達へのmodulation作用について調査した。従来の報告通り、麻酔薬はシナプス後膜への効果として抑制性GABAergicなシナプス伝達を増強する作用があり、今回の実験でもそれぞれの麻酔薬がCl^-電流を増強することを確認した。しかしながら、そのminiature IPSCにおいて、ハロタンはプロポフォールと比較してよりdecay phaseを延長させたがamplitudeは減少させる結果となり、Cl^-電流の動態が一様でないことが観察された。単一チャネルでのkineticsを解析するため、Cell-attachedモード下の観察を行ったところ、それぞれの麻酔薬によりコンダクタンスは変化せず、開口確率が増加することが確認された。解析により、ハロタンではmean open timeの延長、プロポフォールではinterburst intervalの低下が観察された。これが麻酔薬による抑制性シナプス後電流の増強につながることが考えられるが、薬剤によりCl^-チャネルの開口確率の増加、開寿命の延長、あるいは閉寿命の短縮へ及ぼす作用に相違があり、臨床作用での相違について関連づけて考察した。
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Research Products
(1 results)