2003 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
13671620
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Research Institution | Osaka Medical College |
Principal Investigator |
黒嵜 明子 大阪医科大学, 医学部, 助手 (20351413)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
南 敏明 大阪医科大学, 医学部, 教授 (00257841)
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Keywords | アロディニア / グルタミン酸 / HIV gp120 / NMDA受容体 / カプサイシン / PGE受容体(EP) / EPS受容体拮抗薬 |
Research Abstract |
[目的] 申請者らは、以前、マウス脊髄腔内に投与したHIV糖蛋白gp120(HIV gp120)がアロディニアを惹起すること、HIV gp120によるアロディニアは内因性のPG、グルタミン酸および一酸化窒素(NO)が関与していることを明らかにした。今回、HIV gp120によるアロディニアの動物モデルを用いてHIV neuropathyの発現機構を検討し以下の知見を得た。[方法]無麻酔下、雄、マウスにHIV gp120およびその他の薬剤5μlをマウス脊髄腔内に投与した。Yaksh & Hartyと同様に投与後、5分毎にアロディニアを50分間観察しスコア0-2で表した。 [結果] (1)生直後にカプサイシンの全身投与を行いC線維を選択的に破壊したマウスを用いてHIV gp120によるアロディニアの実験を行うと、HIV gp120によるアロディニアは誘発された。HIV gp120で惹起されるアロディニアに対してモルヒネは抵抗を示した。 (2)グルタミン酸受容体サブタイプのNMDA受容体が痛みの増強に重要な役割を果たしている。HIV gp120によるアロディニアはNMDA受容体ε4欠損マウスでは全く出現しなかった。 (3)PGE受容体(EP)はEP1からEP4までの4つのサブタイプが存在し、EP1およびEP3受容体欠損マウスを用いてHIV gp120によるアロディニアの実験を行うと、HIV gp120によるアロディニアはEP1受容体欠損マウスでは出現し、EP3受容体欠損マウスでは出現しなかった。 [考察] 以上の結果、HIV gp120によるアロディニアの発生機構には器質的な神経の可塑性だけでなく、脊髄レベルの機能的な神経可塑性の関与があること、NMDA受容体拮抗薬やEP3受容体拮抗薬がHIV gp120によるアロディニアの治療薬になる可能性があることが明らかになった。
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Research Products
(7 results)
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[Publications] 伊藤 誠二 他: "病態としての"痛み"研究:脊髄のPGsと痛み"脳. 21(6). 48-54 (2003)
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[Publications] 南 敏明 他: "片頭痛の発現機構 -片頭痛発作時にアロディニアが惹起される-"臨床麻酔. 印刷中.
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[Publications] Mabuchi, T et al.: "Attenuation of neuropathic pain by the nociceptin/orphanin FO antagonist JTC-801 is mediated by inhibition of nitric oxide production"Eur.J.Neurosci.. 17. 1-9 (2003)
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[Publications] Minami, T et al.: "Functional evidence for interaction between prostaglandin EP_3 and κ-opioid pathways in tactile pain induced by human immunodeficiency virus type-1 (HIV-1) glycoprotein gp120."Neuropharmacology. 45. 96-105 (2003)
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[Publications] Muratani, T et al.: "Functional characterization of prostaglandin F2alpha receptor in the spinal cord for tactile pain (allodynia)."J.Neurochem.. 86. 374-382 (2003)
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[Publications] 南 敏明 他: "痛みの基礎と臨床"痛覚伝達に対する脊髄でのブロスタグランジンの役割. 11 (2003)
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[Publications] 伊藤 誠二 他: "痛みの基礎と臨床"ノシセプチンとノシスタチンの痛覚調節機構. 12 (2003)