2001 Fiscal Year Annual Research Report
麻酔薬の耽溺性(Anesthetic Abuse)に関する研究
Project/Area Number |
13671622
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Research Institution | Kansai Medical University |
Principal Investigator |
中尾 慎一 関西医科大学, 医学部, 助教授 (10207714)
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Keywords | ケタミン / ドパミン / 側坐核 / 非競合性NMDA受容体拮抗薬 / 亜酸化窒素 |
Research Abstract |
ケタミンもしくは亜酸化窒素を、一回投与させた場合と慢性に投与させた場合のラット脳側坐核ドパミン放出の測定 雄ウィスターラット(250-300g)を用いて、ペントバルビタール麻酔下にガイドカニューラをラット脳側坐核に植え込み、24時間後にマイクロダイアライシス用カニューラを挿入した。ドパミン測定は、透析液を高速クロマトグラフィーで分離した後、電気化学検出器にて行った。 1)ケタミン50mg/kgの腹腔内投与を一回行ったラットと、この操作を5日連続して行ったラット2)70%亜酸化窒素の吸入を1回行ったラットと、この操作を5日連続して行ったラットに対して、ドパミン放出測定を行った。透析液は20分毎に採取し、上記薬物投与前3回のサンプル液の平均値をコントロールとした。 結果と考察)側坐核ドパミン放出は、ケタミン50mg/kgの腹腔内投与によりコントロールに比べて有意に増加した。最大の増加は投与後40-60分後に得られた。5日連続ケタミン投与群でも、ケタミンによるドパミン放出の増加は認められたが、1日群に比べて有意に多いということはなかった。一方、70%亜酸化窒素によっても側坐核ドパミン放出増加傾向が認められたが、コントロールに比べて有意な増加ではなかった。また、亜酸化窒素を5日連続吸入することにより、1日吸入する場合より有意に増加するということはなかった。以上の結果より、非競合性NMDA受容体拮抗薬による精神異常誘発作用(幻覚など)には、側坐核ドパミン放出の増加(中脳辺縁系ドパミンシステム)の関与の有ることは示唆されたが、耽溺性との関与は証明することは出来なかった。
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Research Products
(5 results)
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[Publications] Takefumi Inada: "Propofol depressed neutrophil hydrogen peroxide production more than midazolam, whereas adhesion molecule expression was minimally affected by both anesthetics in rats with abdominal sepsis"Anesthesia & Analqesia. 92. 437-441 (2001)
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[Publications] Atsushi Nagata: "Xenon inhibits but N20 enhances ketamine-induced c-Fos expression in the rat posterior cingulate and retrosplenial cortices"Anesthesia & Analgesia. 92. 362-368 (2001)
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[Publications] Etusko Miyamoto: "Caudoputamen is damaged by hypocapnia during mechanical ventilation in a rat model of chronic cerebral hypoperfusion"Stroke. 32. 2920-2925 (2001)
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[Publications] Nobuyasu Nishizawa: "Inhibition of the N-methyl-D-aspartate receptor channel by local anesthetics in mouse CA1 pyramidal neurons"Anesthesia & Analgesia. 94. 325-330 (2002)
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[Publications] Shinichi Nakao: "Ketamine-induced c-Fos expression in the mouse posterior cingulate and retrosplenial cortices is mediated not only via NMDA receptors but also sigma receptors"Brain Research. 926. 191-196 (2002)