2001 Fiscal Year Annual Research Report
膀胱の神経再生を制御する分子機構の解析(糖尿病性膀胱機能障害をモデルとして)
Project/Area Number |
13671631
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Research Institution | Akita University |
Principal Investigator |
下田 直威 秋田大学, 医学部, 助手 (60196558)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
加藤 哲郎 秋田大学, 医学部, 教授 (40004642)
河谷 正仁 秋田大学, 医学部, 教授 (00177700)
佐藤 一成 秋田大学, 医学部, 助教授 (90270842)
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Keywords | 再生 / HGF / c-Met / TGF-β / 閉塞膀胱 |
Research Abstract |
機能障害膀胱の再生をめざす研究の一環として、糖尿病性膀胱機能障害をモデルとして神経ならびに筋組織の変化の検討を試みた。このような慢性機能障害が組織学的に線維化を伴うことから、まずTGF-β1の発現変化について、また再生に関わる増殖因子として最近種々の臓器で注目されているhepatocyte growth factor : HGFならびにそのレセプターであるc-Metの発現変化についてELISA法やWesternbloting法を用いて検討した。 糖尿病モデルとしてラットにストレプトゾシンを投与して膀胱機能障害を誘発したが、完成に時間がかかり効率が悪かったため、併行して最も簡単な機能障害モデルとしてラットの尿道を結紮した閉塞膀胱を作り、上記増殖因子の発現変化を検討した。 閉塞膀胱の急性期においては、膀胱組織にTGF-βの高発現を認めた。血漿と膀胱組織中のHGFの発現増加傾向も認めたが、シャム手術群でも同様の増加傾向があり、閉塞膀胱に特異的変化ではなかった。 現在c-Metの発現変化を検討中であり、続いて慢性期の変化も検討予定である。 膀胱にc-Met発現が認められるならば、外因性HGFを補充することによりTGF-βの作用に拮抗して線維化の進行を食い止め、機能障害を抑制できる可能性があり、現在HGF遺伝子を組み込んだプラスミドベクターの直接導入法も検討中である。
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