2001 Fiscal Year Annual Research Report
前立腺癌のホルモン抵抗性獲得に関与する遺伝子群の同定と遺伝子診断への応用
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13671635
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Research Institution | Chiba University |
Principal Investigator |
鈴木 啓悦 千葉大学, 大学院・医学研究院, 助手 (60301818)
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Keywords | 前立腺癌 / ホルモン依存性腫瘍 / 内分泌療法 / テストステロン / CD44 / KAI1 / retinoic acid receptor β / p51 |
Research Abstract |
前立腺癌はアンドロゲン依存性腫瘍であり、その治療体系においてアンドロゲン除去による内分泌療法は早期・中期癌の併用療法として、また進行癌の主治療として広く施行されている。しかしながら、ホルモン療法への反応性は、徐々に消失し、ホルモン抵抗性癌へと進行する。このホルモン抵抗性の獲得の分子機構について以下の1)-3)について検討し報告した。また、ホルモン療法を施行された前立腺癌患者における治療前血清テストステロン値について、ホルモン依存性の観点から臨床的に検討し、4)-5)を報告した。 1)前立腺癌の進行に伴って、接着因子CD44遺伝子および癌抑制遺伝子KAI1遺伝子のメチル化による発現低下がおきることを,それぞれ臨床検体およびヒト前立腺癌細胞株の実験系を用いて報告した。 2)前立腺癌の進行により、retinoic acid receptor β遺伝子がメチル化されて不活化されることを、臨床検体およびヒト前立腺癌細胞株の実験系にて示した。 3)癌抑制遺伝子p53のhomologueであるp51のヒト前立腺癌組織中の組織染色性ならびに遺伝子異常について検討し、遺伝子の構造異常は認めないものの組織染色性に異常があることを報告した。 4)前立腺癌患者では治療前血清テストステロン値が病期の進行例ほど高いこと、さらに進行性前立腺癌患者では血清テストステロン値が高い群のほうが内分泌療法反応性や予後がよいことを報告した。 5)血清テストステロン値の低い80歳以上の高齢者前立腺癌患者では、血清テストステロン値の高い80歳以下の患者に比較して内分泌療法反応性が悪いことを報告した。 以上について、全て英文原著論文として発表済みである。また現在、これらの結果をさらに遺伝子診断へ応用すべくさらなる検討を加えている。
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Research Products
(6 results)
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[Publications] Takahashi H, et al.: "Mutation analysis of the p51 gene and correlation between p53,p73,and p51 expressions in prostate carcinoma"The Prostate. 47. 85-90 (2001)
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[Publications] Nakayama T, et al.: "The role of epigenetic modifications in retinoic acid receptor β2 gene expression in human prostate cancers"Laboratory Investigation. 81. 1049-1057 (2001)
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[Publications] Sekita N, et al.: "Epigenetic regulation of the KAI-1 metastasis suppressor gene in human prostate cancer cell lines"Japanese Journal of Cancer Research. 92. 947-951 (2001)
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[Publications] Kito H, et al.: "Hypermethylation of the CD44 gene is associated with progression and metastasis of human prostate cancer"The Prostate. 49. 110-115 (2001)
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[Publications] Imamoto T, et al.: "Pretreatment serum level of testosterone as a prognostic factor in Japanese men with hormonally treated stage D2 prostate cancer"Endocrine Journal. 48. 573-578 (2001)
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[Publications] Suzuki H, et al.: "Clinical characteristics of prostate cancer in elderly Japanese patients 80 years of age or older"European Urology. (in press). (2002)