2002 Fiscal Year Annual Research Report
酸化ストレスによる前立腺発癌の促進作用とその抑制に関する研究
Project/Area Number |
13671637
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Research Institution | The University of Tokyo |
Principal Investigator |
本間 之夫 東京大学, 医学部附属病院, 助教授 (40165626)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
牛島 俊和 国立がんセンター, 研究所, 部長(研究職) (90232818)
山本 順寛 東京大学, 大学院・工学系研究科, 助教授 (60134475)
高橋 悟 東京大学, 医学部附属病院, 講師 (50197141)
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Keywords | 前立腺 / 前立腺発癌 / 発癌抑制 / coenzyume Q / コレステロール |
Research Abstract |
われわれは、ラットを用いた前立腺発癌実験で、その促進因子として高コレステロール食があることを見出している。そして、その発癌頻度の上昇に伴い、前立腺内の酸化ストレスの指標であるCoenzyme Qの還元型/酸化型の比が増加していることも確認している。そこで、ラットの前立腺の発癌を抑制するために、酸化抑制剤であるラジカットを用いることを予定した。まず、ヌードマウスを用いた予備研究を行い、Coenzyme Qの還元型/酸化型の比を測定し、その結果に基づき、食餌中のラジカットの用量を0.001%または0.01%とすることにした。そこで、自然に前立腺発癌を起こすACI/Segラットの雄ラット(6週齢)220頭を、米国Harlan社より購入した。このラットを5群に分けて、基礎食、基礎食+1%コレステロール、基礎食+0.01%ラジカット、基礎食+1%コレステロール+0.001%ラジカットのいずれかを含有する飼料を、10週齢より投与開始した。現在では、順調にラットは60週齢にまで達している。この先、予定では100週齢まで飼育を継続することにしている。現在のところ、すべてのラットは死亡や全身的な衰弱などはなく順調に生育している。中途での検討は予定していなかったので、行っていないが、酸化ストレスの指標であるCoenzyme Qの還元型/酸化型の比の増加は、予備実験でも認められたので、そのような変化があると推定している。
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